不動産購入にかかる諸費用と税金をシミュレーション!賢い節約方法も解説
不動産を購入する際には、必ず諸費用や税金がかかってきます。
さらに頭金や手付金などを加えた場合、初期費用としてかかるコストはかなり大きな額と言えるでしょう。
一般的に言われる不動産購入時の初期費用は5〜10%ですが、これらは利用する不動産会社や金融機関などによって異なります。
この記事では不動産購入にかかる初期費用の内訳と目安を知っておくことで、これから購入する不動産にかかる初期費用として、準備すべき自己資金額を知ることができます。
それらを理解した上で賢く節約する方法も紹介しているので、少しでも初期費用を抑えて不動産を購入したいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
不動産購入にかかる初期費用の内訳と目安
まずは初期費用に関する各項目を具体的に確認していきましょう。
戸建てやマンション、土地など購入する不動産の種類や、利用する不動産会社や金融機関など、人によって違いはあるものの、以下で紹介している項目を確認しておけば、実際にかかるコストと大きな差異は生まれにくいでしょう。
また初期費用は原則として現金で用意する必要があるので、そちらも頭に入れて確認してみてください。
仲介手数料
新築など売主が直接販売しているものには発生しませんが、多くの不動産購入時に関わってくる諸費用です
売主と買主の取引を不動産の専門家が仲介することで、複雑な書類作成や手続き、交渉などを当事者の代わりにスムーズに進行します。
そして契約が成立した際に、その対価として不動産仲介業者に支払われるものが仲介手数料です。
仲介手数料は法律で上限が定められており、以下の計算で算出される価格内で決定します。
(売買価格×3%+6万円)×1.1(消費税)
登記費用
登記とは、不動産購入後に所有者であることを証明するために必要な手続きのことです。
主にこれから紹介する2点の税金と諸費用が発生します。
登録免許税
登記を行う際に国に納める税金です。
不動産の種類によって税率は違うため、ご自身のケースと比べて確認しておきましょう。
種類 | 税率(本則) | 税率(軽減措置) |
住宅用家屋所有権保存登記(新築) | 評価額の0.4% | 評価額の0.15% |
住宅用家屋所有権移転登記(中古) | 評価額の2.0% | 評価額の0.3% |
所有権移転(土地) | 評価額の2.0% | 評価額の1.5% |
抵当権設定登記(ローン借入時) | 借入額の0.4% | 評価額の0.1% |
注意するポイントとしては物件価格ではなく、評価額で計算されるということです。
売買価格とは違い、築年数などの要因で変動しません。
そのため売買価格で計算してしまうと実際の登録免許税の価格と違う結果になるため注意が必要です。
司法書士報酬
依頼する司法書士や物件によって変動しますが、一般的に5〜15万円程度と言われています。
登記の手続きは専門性が高く、不備があった場合には余計なコストが発生してしまうため、仲介業者同様、依頼するケースが一般的です。
住宅ローンに関する費用
住宅ローンを利用するために必要な手数料や、返済中の不測の事態などに備えた保険料が含まれます。
ローン保証料
住宅ローンの保証会社に支払う費用です。
保証会社は、借入者が返済不能になった場合に金融機関に代わって返済を行う役割を果たします。
連帯保証人を用意することはリスクが大きいため、近年では保証会社を利用することが一般的です。
利用する金融機関によって異なりますが、一般的に「前払い型」と「金利上乗せ型」2種類の支払い方法があります。
前払い方 | 借入額の2%程度 |
金利上乗せ型 | 月々の返済金利に0.2%程度上乗せ |
融資手数料
金融機関にローンの審査や契約手続きを行ってもらうための費用です。
この費用には、書類作成や信用調査、物件評価などの業務にかかる経費が含まれます。
金融機関によって異なりますが、一般的に「定額型」と「定率型」から選択、もしくはいずれかが設定されています。
定額型 | 30,000〜100,000円程度 |
定率型 | 1〜3%程度 |
ただし選択できる場合、事務手数料だけで判断してしまうと、保証料や金利で高くついてしまうといったケースもあるので、それらの項目とセットで比較する必要があります。
団体信用生命保険料
借入者が死亡または重度障害になった場合に、残りの住宅ローンを保険金で返済する仕組みです。
この保険により不測の事態が起きても、家族が住宅ローンの返済に苦労することなく、住まいを継続して保有できます。
基本的にほとんど金融機関では住宅ローンに組み込まれているのですが、特約など補償範囲を広げる場合には金利に0.3%程度上乗せされるので、こちらの保険料についても知っておくと良いでしょう。
火災保険・地震保険料
火災保険は住宅ローンを利用する場合、多くの金融機関で加入が義務付けられています。
一般的に1年から10年まで選択可能で、長期の場合、保険料の割引が適用されることもあるので確認しておきましょう。
しかし火災保険の補償範囲には、地震による損害が含まれていないため、地震保険をセットで加入することも検討する必要があります。
建物の再調達価格や保障内容によって異なりますが、年間1〜3万円程度が一般的です。
支払い方法は一括払いまたは年払い、月払いなどから選択できます。
印紙税
住宅ローンを契約する時や、売買契約書などを作成する際に貼付する収入印紙にかかる税金です。
契約書の作成時に必要となり、物件価格に応じて税額が決まります。
物件価格 | 印紙税金額(本則) | 印紙税金額(軽減) |
500万円〜1,000万円以下 | 10,000円 | 5,000円 |
1,000万円〜5,000万円以下 | 20,000円 | 10,000円 |
5,000万円〜10,000万円以下 | 60,000円 | 30,000円 |
10,000万円〜50,000万円以下 | 100,000円 | 60,000円 |
不動産取得税
不動産(土地と建物)を取得した際に、その取得者に課される地方税です。
取得時に一度だけ支払う税金となり、固定資産税評価額の税率を乗じて計算されます。
課税標準額(通常は固定資産税評価額)× 税率(原則4%、住宅は3%)
支払うタイミングとしては不動産取得後の半年程で都道府県から送付される納税通知書に基づいて支払います。
固定資産税・都市計画税
固定資産税と都市計画税は、1月1日の時点で土地や建物を所有している人が支払う1年分の税金です。
毎年支払う必要がある税金で、売買契約によって所有権が移った際には、買主から売主に対して日割りで算出し、物件の引き渡し日までの期間分は売主が負担、引き渡し日から12月31日までの期間分は買主が負担となります。
固定資産税 | 土地・建物の価値に応じて課税される税金 |
税率は通常1.4%(標準税率、自治体により異なる場合あり) | |
都市計画税 | 都市計画事業や土地区画整理事業のために課税される税金 |
税率は通常0.3%(上限税率、自治体により異なる場合あり) |
手付金
売買契約の成立を前提として、買主が売主に契約締結時に支払うお金です。
一般的に物件価格の5〜10%程度で、最終的には物件価格に充当されます。
手付金は契約の証であり、契約解除時に関する取り決めが伴うため法的な効力を持っています。
また、手付金は契約完了までの双方の不安定な状態を安定させる役割も果たしています。
その他考慮すべき諸費用
ここまで紹介した項目は、不動産の種類や人によって左右されない共通する項目でしたが、それら以外にも考慮しておく必要がある項目があるので紹介いたします。
頭金
住宅購入の総費用から住宅ローンの借入れ分を差し引いた部分で、必ずしも用意しなければならないものではありませんが、頭金を用意することでローンの返済期間や利息を軽減することが可能になります。
またローン審査時に通りやすくなるといった効果もあります。
一般的に物件価格の20%程度が理想的な目安とされています。
引っ越し費用・家具家電費用
新居に移転する際には引っ越し費用も発生します。
特に荷物が多い場合や距離が長い場合は費用が高額になる可能性があるため、複数の業者に見積もりを依頼して、コストを抑える工夫が重要です。
また家具家電の買い替えなどの有無も確認しておきましょう。
こちらは金融機関によって、住宅ローンに組み込める場合もあります。
インスペクション費用
専門家による建物診断を行うことで、物件の状態を事前に把握することができます。
この費用は物件の規模や診断の詳細度によって変わりますが、購入判断の重要な材料となるため、諸費用として考慮する必要があるでしょう。
物件の規模や調査の詳細度によって変動しますが、一般的な相場は4〜7万円程度と言われています。
管理費・修繕積立金(マンションの場合)
多くの場合、入居時に数ヶ月分の前払いが必要となります。
物件によって大きく異なりますが、管理費と修繕積立金を合わせて月額1〜5万円程度が一般的です。
これらの費用は物件の規模、築年数、設備などによって変動するため、購入前に必ず確認しましょう。
購入を検討している不動産の初期費用をシミュレーション
初期費用に関する内訳を確認した上で、あなたが購入を検討している不動産の初期費用がいくらかかるのか確かめてみましょう。
を購入する時にかかる初期費用は?
※注)金融機関や借入金額、組み方によって価格に違いがあるので目安としてご確認ください
初期費用を節約するために必要な知識と手段
シミュレーションの結果はいかがでしたでしょうか?
想定内の価格だった人もいれば、予想以上に高く感じた人もいるでしょう。
ここからは初期費用を抑えるための具体的な方法についてご紹介していきます。
仲介手数料無料の不動産に依頼
仲介手数料は数十万〜数百万円単位のため、大きな負担の一つです。
そこで弊社では、仲介手数料を最大無料にて、不動産の購入をサポートさせていただいております。
実績豊富なスタッフがあなたの初期費用を軽減し、負担の少ない不動産購入を実現いたします。
不動産購入は問い合わせのスピードが大変重要です。
人気の物件ほど買い手がすぐに現れてしまいますので、せっかく理想の不動産を見つけても「問い合わせたらすでに先客が、、、」といったことはよくある話です。
無料で仲介手数料に関する診断が可能ですので、そうなってしまう前にまずは一度ご相談ください。
手付金なしで不動産を購入する方法
手付金は前述したとおり、前金という役割であり支払い総額の一部なので、軽減できるものではありません。
しかし初期費用として事前に数百万円の現金を用意するという意味では、こちらを節約することで大きな負担軽減になると言えるでしょう。
実際にご相談いただく中でも、「手付金が用意できない」といったお声をよく耳にします。
そういったケースでも弊社では対応実績が豊富にございますので、お気軽にご相談ください。
住宅ローンに諸費用を組むまたは諸費用ローンの利用
金融機関やローンプランによって異なりますが、諸費用をローンに組み込むことができるものや、諸費用のローンを組むことが可能です。
いずれかの手段を利用すれば、初期費用は大幅に軽減されるでしょう。
しかし返済期間や利息が増加してしまうので、その点は注意が必要です。
まとめ
不動産購入時には、物件価格以外にもさまざまな諸費用が発生します。
これらの費用は不動産の種類や立地、購入のタイミングによって異なるため、事前に把握し、計画を立てることが重要です。
また、前述の方法を活用して諸費用を抑えることで、経済的負担を軽減し、安心して購入を進めることができます。
仲介手数料や手付金などの大きな諸費用を抑えて、理想の不動産購入を実現しましょう。
松浦玉枝税理士事務所
https://matsuura-tax.tokyo/
東京税理士会所属。準大手税理士法人で約10年の経験を積み、2023年に品川区で独立開業。
法人や個人に対し幅広い税務サービスを提供。クライアントのニーズに柔軟に対応することをモットーとしている。
プライベートでは2児の母。