賃貸より持ち家の方が一生で1300万円お得だと言われる理由を専門家が解説
物件は賃貸と購入のどちらがお得なのかという答えは人それぞれ違います。
というのも、お得なポイントは賃貸と購入それぞれにあり、居住者がどのような点を住居に求めているのかによって変わるからです。
たとえば、若いうちは費用を抑えたい人は賃貸がオススメになりますし、老後に安定した暮らしを送りたいという考えであれば物件を購入した方が良いでしょう。
なので、どちらか一方がお得で、もう一方が損だという意見は鵜呑みにせずに、自分に向いているのはどっちなのかと考えるべきです。
この記事では、賃貸と購入の今後50年間の総住居費を比較し、賃貸に向いている人、購入に向いている人を比較をしています。
具体的な土地の物件価格を参考に賃貸の価格と購入した時の価格をシュミレーションしているので、賃貸か購入かで悩んでいる人は参考にしてください。
住居費は賃貸より購入がお得なのか
住宅を選ぶ際、多くの人が悩むのが賃貸と購入のどちらがお得なのかという問題です。
では、長期的に住居費を比較した場合、果たしてどちらが経済的にお得なのでしょうか。
ここでは賃貸と購入の50年間の総住居費を比較し、どちらがお得なのかシミュレーションしてみました。
持ち家と賃貸はほぼ同じ立地の物件で条件は以下の通りになります。
持ち家の条件:省エネ性能認定の中古住宅 | 賃貸①:子育て期に広い家に住み替える場合 | 賃貸②:家賃を低く抑える場合 |
---|---|---|
マンション購入価格:5,000万円 頭金:500万円 住宅ローン借入額:4,500万円 住宅ローン金利:0.8% 返済期間:35年(元利均等方式) ボーナス返済:なし 諸費用:価格の3% 固定資産税:年額10万円 管理費、修繕積立金:月額2万円(25年目から3万円) 住宅ローン控除:210万円 |
1年〜9年目の家賃:13万円 10年〜24年目の家賃:16万円 25年〜50年目の家賃:10万円 共益費:家賃の5% 管理費:家賃の5% 敷金:家賃1ヶ月分 礼金:家賃2ヶ月分 仲介手数料:家賃1ヶ月分 契約更新料:家賃1.5ヶ月分(2年に1回) |
1年〜9年目の家賃:13万円 10年〜24年目の家賃:11万円 25年〜50年目の家賃:8万円 共益費:家賃の5% 管理費:家賃の5% 敷金:家賃1ヶ月分 礼金:家賃2ヶ月分 仲介手数料:家賃1ヶ月分 契約更新料:家賃1.5ヶ月分(2年に1回) |
それでは、実際にどのような結果になるのかを見ていきましょう。
賃貸と購入の住居費比較シュミレーション
30代の夫婦が持ち家に住む場合と賃貸に住む場合の住居費のシュミレーションを行いました。
それでは、どのような結果になったのか見てみましょう。
項目 | 持ち家 | 賃貸① | 賃貸② |
---|---|---|---|
合計金額 | 約8,735万円 | 約8,801万円 | 約6,993万円 |
月々の支払額 | 1年〜35年目:約19万円 36年〜50年目:約4万円 |
1年〜9年目:14.3万円 10年〜24年目:17.6万円 25年〜50年目:11万円 |
1年〜9年目:14.3万円 10年〜24年目:12.1万円 25年〜50年目:8.8万円 |
費用内訳 | ・頭金: 500万円 ・諸費用: 150万円 ・固定資産税: 500万円(50年分) ・管理費・修繕積立金(~25年目): 600万円 ・管理費・修繕積立金(~50年目): 900万円 ・リフォーム費用: 300万円 ・住宅ローン返済総額: 5,160万円 |
家賃:7,404万円 共益費:370万円 管理費:370万円 敷金:39万円 礼金:78万円 仲介手数料:39万円 契約更新料:441万円 引っ越し費用:60万円 |
家賃:5,880万円 共益費:294万円 管理費:294万円 敷金:32万円 礼金:64万円 仲介手数料:32万円 契約更新料:337万円 引っ越し費用:60万円 |
計算結果を見ると、子育て期間に広めの家に引っ越した場合は持ち家とそこまで変わらない金額になり、安めの物件に引っ越した場合だと持ち家よりも安いという結果になりました。
ただし、家賃を低く抑えるケースだと購入よりも費用を低く抑えることができていますが、子どもと夫婦の三人で暮らすことを考えると少し狭く感じてしまうかもしれません。
一方、購入の場合は、初期費用こそ高くつきますが、ローンを払い終えてしまえば、その後の住居費は大幅に下がるのが分かると思います。
定年後に収入が下がることを想定すると、理想は物件を購入したケースの支払額ですが、35年目までの支払額が高額になっていることで返済負担が大きいのがデメリットだと言えるでしょう。
ただ、この観点は、ボーナス支払いを組み込んだ場合や、借入期間をもう少し長く取ることで返済負担の面でもクリアできるので調整が可能な項目になります。
40代や50代は一括購入か繰り上げ返済がオススメ
お子さんが独立をしたタイミングで物件の購入を考える人もいらっしゃいます。
ライフスタイルの変化が少なく小さめの物件でも問題ないため、家を買うのには良いタイミングでしょう。
ただし、住宅ローンの審査では借入時の年齢だけではなく、完済時の年齢も重要な項目になるため、返済額が高くなってしまう可能性があるので注意が必要です。
また、団体信用生命保険の加入には健康面での審査もクリアしないとならないので、健康であることが条件となります。
そのため、40代や50代で物件を購入する場合は一括購入や繰り上げ返済を視野にいれて考えるとよいでしょう。
現在の家賃で購入できる物件価格の目安
家賃と同額の住居費で購入できる物件価格を把握しておくことは、物件購入を検討する上で欠かせません。
この表を参考にすれば現在の家賃から逆算して、どのくらいの価格帯の物件が購入できるのかが分かります。
家賃と物件価格の計算の条件は以下の通りです。
- 金利は0.8%
- 35年返済
- ボーナス支払いなし
- 購入諸費用は一戸建て価格の6%・マンションは価格の3%
この条件で、35年間同じ家賃を支払い続けた場合はどの程度の物件を購入することができるのかを見ていきましょう。
家賃 | マンション | 一戸建て |
---|---|---|
5万円 | 1,580万円 | 1.536万円 |
7万円 | 2,212万円 | 2,150万円 |
9万円 | 2,844万円 | 2,764万円 |
11万円 | 3,476万円 | 3,378万円 |
13万円 | 4,108万円 | 3,992万円 |
15万円 | 4,740万円 | 4,607万円 |
令和4年度住宅市場動向調査報告書によると、三大都市圏の分譲戸建住宅の平均購入価格は4,214万円なので、家賃が13万〜15万円に該当する方は購入することが可能だと分かります。
中古住宅なら4,000万円よりも安く2,500万円〜3,500万円の範囲内で購入することが可能です。
また、4,000万円の家を購入できる人の年収については下記の記事で詳しく説明をしていますので、そちらも合わせてご覧ください。
住宅ローンの返済や家賃以外の住居費
住居費を考える際、住宅ローンの返済額や家賃だけでなく、その他にかかる費用も見落とせません。
下の表は、持ち家と賃貸で住宅ローン返済や家賃以外にかかる住居費を比較したものです。
項目 | 持ち家 | 賃貸 |
---|---|---|
合計金額 | 約1437.2万円 | 約565.5万円 |
内訳 | 管理費:12,480円/1ヶ月 修繕積立金:11,474円/1ヶ月 |
<毎月> 契約更新料:家賃1.5ヶ月分 <引越しごとにかかる> 敷金:家賃1ヶ月分 礼金:家賃1ヶ月分 仲介手数料:家賃1ヶ月分 引越費用目安:90万円/3回 |
50年間で見ると持ち家の方が合計金額が高くなっていますが、この管理費や修繕積立金というのは物件の資産価値を維持するために必要な費用です。
一方、賃貸の場合は契約更新時の更新料や、引っ越しの際の敷金・礼金・仲介手数料などが必要になります。
引っ越しの回数が多くなれば賃貸の費用もそれに応じて高くなっていきますのでしっかりと抑えておきましょう。
税金や保険にかかる費用比較
持ち家と賃貸では、税金や保険の負担も異なります。
以下の表を参考にしてください。
項目 | 持ち家 | 賃貸 |
---|---|---|
合計金額 | 約650万円 | 約50万円 |
税金・保険 | 固定資産税・都市計画税:10万円/年額 建物と家財を対象の火災保険:3万/年額 |
家財を対象とする火災保険:1万円/年額 |
この固定資産税などは住宅ローンを支払い終えた後でも、不動産を所有し続ける限り発生する費用になります。
賃貸の場合は、物件を所有しているのが大家や管理会社になるため、居住者に固定資産税などがかかってくることはありません。
火災保険に関しては、住宅ローンを組む際の条件にされている場合があるので、基本的に住宅を購入する場合は加入するようになります。
賃貸の場合だと、オーナーが加入している火災保険で補償されるため、居住者は家財のみを補償する保険に加入するのが一般的です。
持ち家派と賃貸派に関するアンケート調査
全国宅地建物取引業協会連合会が出している住宅居住白書によると、持ち家派が全体の67.5%、賃貸派が17.4%、どちらとも言えないが15.1%という結果です。
アンケートを見ると持ち家派が多く、賃貸派が少ないという結果になりましたが、次はその理由を見ていきましょう。
順位 | 持ち家 | 賃貸派閥 |
---|---|---|
1位 | 家賃を払い続けることが無駄に思えるから | 住宅ローンに縛られたくないから |
2位 | 落ち着きたいから | 税金や維持管理にコストがかかるから |
3位 | 老後の住まいが心配だから | 不動産を所有しない身軽さが良いから |
4位 | 持ち家を資産だと考えているから | 天災が起こった時に家を所有していることがリスクになると思うから |
5位 | 賃貸は何かと気を使うことが多いから | 不動産の価格が上がりすぎて手が届きそうにないから |
6位 | マイホームを持つことが夢だから | 仕事などの都合で引越をする可能性があるから |
7位 | その他 | 家族構成の変化で引越をする可能性があるから |
持ち家派の理由としては、「家賃を払い続けることが無駄に思えるから」が1位で、2位と3位は「落ち着きたいから」「老後の住まいが心配だから」といった生活の安定性や金銭面的な理由が挙げられているようです。
一方、賃貸派の理由は「住宅ローンに縛られたくないから」が45.3%で最多、それ以降は「税金や維持管理にコストがかかるから」などの金銭面での理由が多く見受けられます。
生涯で支払う住居費の総額はそこまで差はありませんが、税金や維持管理のコストは賃貸にはほとんどないので、そういった面で賃貸の方がお得だと感じている人が多いようです。
いつお金がかかるのかを抑えておくと計画を立てやすい
アンケート結果によると、賃貸か購入かは経済的な理由だけでなく、ライフステージの変化や将来設計によって選んでいるというのが分かりました。
結婚や出産などのライフイベントごとにかかる費用を逆算してみることで、将来設計を立てることが可能です。
費用項目 | 金額の目安 |
---|---|
結婚費用 | 約304万円 |
出産費用 | 約47万円 |
教育資金 | 約1,002万円 |
老後の生活費 | 約26万円 |
介護費用 | 約17万円 |
緊急資金 | 約60〜240万円 |
ライフステージごとにかかる費用はこの通りで、これを元に「今は住宅購入に充てる費用があるかどうか」という計画を立てることができます。
特に結婚費用や教育資金においては他の費用と比べて高めなので、この2点を意識をしてみると計画が立てやすいでしょう。
賃貸と持ち家で1300万円の差があるのは本当なのか
最近は「賃貸より持ち家の方が1,300万円お得だ」という話が話題になっていますが、本当にそれだけの差があるのでしょうか。
結論から言えば、金額は立地条件や物件によって大きく異なりますので、一概に1,300万円の差があるとは言い切ることはできません。
とはいえ、特定の条件下では、賃貸と持ち家の間にそれだけの差が生じるケースもあり得ます。
今回では1300万円の差があるケースを二つ見ていきますので、参考にしてください。
賃貸派が一度も住み替えをしない場合
一度も住み替えをしない場合を考えるために、東京都墨田区の物件価格を参考にします。
東京都墨田区では新築マンションの1LDKの価格相場は4665万円で、賃貸の相場は15.72万円です。
この価格帯で一度も引越をせずに同じ物件に住み続けた場合はどうなるかシュミレーションをしてみましょう。
持ち家の生涯住居費をシュミレーションする条件は以下の通りです。
- マンション購入価格:4665万円
- 頭金:なし
- 住宅ローン金利:0.8%
- 返済期間:35年(元利均等方式)
- ボーナス返済:なし
- 諸費用:価格の3%
- 固定資産税:年額10万円
- 管理費・修繕積立金:月額2万円(25年目から3万円)
- 住宅ローン控除:240万円
- リフォーム費用:300万円
この条件で、どのような結果となるのかを見ていきます。
項目 | 持ち家 | 賃貸 |
---|---|---|
合計費用 | 約8,207万円 | 約1億1,028万円 |
内訳 | ・諸費用: 1,399,500円 ・固定資産税: 5,000,000円 ・管理費・修繕積立金(~25年目): 6,000,000円 ・管理費・修繕積立金(~50年目): 9,000,000円 ・リフォーム費用: 3,000,000円 ・住宅ローン返済総額: 60,067,240円 |
・家賃:9,432万円 ・共益費:7,860円/月 ・管理費:7,860円/月 ・敷金:15.72万円 ・礼金:235,800円 ・仲介手数料:15.72万円 ・契約更新料:589.5万円 |
この条件で計算してみると50年間の総住居費用は持ち家が約8,207万円、賃貸が約1億1,028万円となり、価格に約2821万円の差が出ることが分かりました。
住み替えを頻繁に行わないのであれば、購入した方がトータルでお得になるケースが多いようです。
また、このケースでは頭金が0で計算をしているため、通常のシュミレーションよりも合計費用が割高の結果になっています。
頭金を用意すればそれだけ合計費用が低くなりますので、一度も住み替えを行わない場合だと持ち家の方がお得だと言えるでしょう。
中古マンションによっては1300万円の差があることも
新築マンションで計算をしてきましたが、中古マンションで計算をしてみるとどうなるでしょうか。
東京都墨田区の中古マンションの価格の相場は約3500万円なので、この価格で50年間住み続けた場合のシュミレーションを行ってみましょう。
賃貸は子育て期間に住み替えを行い、お子さんが独立したタイミングで再度住み替えを行うように計算をします。
項目 | 持ち家 | 賃貸 |
---|---|---|
合計費用 | 約6,615万円 | 約8,460万円 |
内訳 | ・諸費用: 2,450,000円 ・固定資産税: 5,000,000円 ・管理費・修繕積立金(~20年目): 4,800,000円 ・管理費・修繕積立金(~50年目): 10,800,000円 ・リフォーム費用: 3,000,000円 ・住宅ローン返済総額: 40,140,000円 |
家賃合計:71,160,000円 共益費合計:3,558,000円 管理費合計:3,558,000円 敷金合計:370,000円 礼金合計:740,000円 仲介手数料合計:370,000円 契約更新料合計:4,245,000円 引越費用合計:600,000円 |
条件 | マンション購入価格:3500万円 住宅ローン金利:0.8% 返済期間:35年(元利均等方式) ボーナス返済:なし 諸費用:価格の7% 固定資産税:年額10万円 管理費・修繕積立金:月額2万円(20年目から3万円) 住宅ローン控除:190万円 リフォーム費用:300万円 |
1年〜9年目の家賃:12万円(1DK) 10年〜24年目の家賃:15万円(1LDK) 25年〜50年目の家賃:10万円(1K) 共益費:家賃の5% 管理費:家賃の5% 契約更新料:家賃1.5ヶ月分(2年に1回) 敷金:家賃1ヶ月分 礼金:家賃2ヶ月分 仲介手数料:家賃1ヶ月分 引越費用:30万円/1回 |
中古マンションを購入した場合だと賃貸と比べて1,542万円ほど安くなり、1,300万円という数字に近い結果となりました。
また、持ち家と賃貸の住んでいる部屋の間取りを比べてみると、持ち家は50年間を通して1LDKなのに対して、賃貸では子育て期には1LDKですがそれ以外では1DKや1Kになっています。
これらの結果から、中古マンションでは賃貸と持家で1300万円ほどの差があることが分かりました。
ただ、これをもっとお安く購入できる方法があることはご存知でしょうか。
中古物件には仲介手数料がかかってきて、初期費用が新築マンションに比べて割高になってしまいますが、この仲介手数料は不動産会社によって自由に上限を設定できる費用です。
そのため、不動産会社によっては仲介手数料が無料になり、約100万円ほどの費用を抑えることができます。
弊社では仲介手数料最大無料のサービスを提供しておりますので、初期費用を抑えてお得に物件を購入したいと思っている方はお気軽にご相談ください。
家を購入するメリットとデメリットを比較
これまで賃貸と持ち家のどちらがお得かという比較を行ってきました。
ただし、住まい選びは経済的な側面だけではなく、ライフスタイルや将来の人生設計など様々な要因を考慮する必要があります。
ここからは物件を購入することのメリットとデメリットについて、もう少し掘り下げていきましょう。
メリットは資産と老後に安心ができる
家を購入するメリットは以下の通りです。
- 家も土地も資産として残る
- 家族構成の変化があっても自由にリフォームできる
- セキュリティや設備のグレードが高い
- ローンを完済すれば住居費の負担が軽くなる
- 万が一の時は団体信用生命保険があるので安心ができる
ローンを返済し終えた住宅が自分の資産になるのが、賃貸との大きな違いといえるでしょう。
賃貸では家賃を支払い続けたとしても、その物件は自分の資産にはならず大家さんの資産で有り続けます。
これが物件を借りる場合と、物件を購入する場合の違いです。
また、住宅ローンを完済すれば居住費の負担が格段に下がりますので、年金などの限られた収入でもゆとりのある生活が送ることもできます。
子どもや孫に資産を残すこともできるので、持ち家の方が将来的な安心感があると言えるでしょう。
デメリットは初期費用が高く転居が難しい
家を購入するデメリットは以下の通りです。
- 住宅ローンが負担だと感じる場合がある
- 初期費用が高い
- 修繕や管理などに費用がかかる
- 買った後も家の維持費がかかる
- 転居が難しく、住居費を下げられない
- 売却する時に価値が変動する
購入時には頭金や諸経費が必要なため、賃貸と比べて初期費用が高くなっています。
また、ライフスタイルの変化に合わせた転居が難しく、住居費が下げられない点もデメリットです。
ただし、初期費用に関しては不動産会社によって抑えることができるため、会社選びを慎重に行うことでデメリットを緩和することができます。
家を借りるメリットとデメリットを比較
賃貸で暮らすことには、物件を購入する場合とは異なるメリットとデメリットがあります。
賃貸ならではの利点と注意点を理解することで、より自分に合った住まい選びができるはずです。
ここでは、賃貸で暮らすことのメリットとデメリットを具体的な例を交えながら、詳しく解説していきたいと思います。
メリットは負担が少なく住居費の調整が可能
賃貸のメリットは以下の通りです。
- 住み替えが簡単にできる
- 初期費用が持ち家と比べて安い
- 維持費や修繕費の負担が少ない
- 住宅ローンに縛られないので気持ちが楽
- ライフスタイルに合わせて住居費を調整できる
- 会社の家賃補助を受けられる可能性がある
アンケート結果にもあったように「住宅ローンに縛られるのが嫌だ」という人が賃貸派には多いため、費用面と転勤のしやすさが賃貸が最大のメリットだと言えます。
お勤めの会社によっては家賃補助を受けることも可能なので、賃貸は毎月かかる費用を抑えたい方に向いていると言えるでしょう。
デメリットは資産にならない点と老後への不安
賃貸のデメリットは以下の通りです。
- 家賃を払い続けても資産にならない
- 自由に内装を変えられない
- セキュリティや設備のグレードが低い場合がある
- 老後の住宅探しに苦労する可能性もある
賃貸の最大のデメリットは、いくら家賃を払っても、住んでいる家が自分の資産にならないことです。
また、老後も賃貸で暮らし続けるとなると、住宅探しに苦労する可能性もあるでしょう。
実際に、国土交通省の調査では約6割の大家が「家賃の支払いに対する不安」という理由で、高齢者の入居を制限しているというデータがあります。
賃貸にするか購入にするかは、これらのメリットとデメリットを踏まえ、自分のライフスタイルや将来設計に合わせて判断することが大切です。
賃貸に向いている人と物件購入に向いている人
賃貸と購入では、それぞれに向いている人の特徴があります。
例えば、頻繁に転勤がある人と、長期的に同じ場所に住み続ける予定の人では明確にタイプが異なるため、向いている契約タイプが分かりやすいです。
ここでは、物件購入に向いている人と賃貸に向いている人の特徴を具体的に見ていきたいと思います。
物件購入に向いている人
賃貸と購入の住居費の比較シュミレーションであったように、物件購入は老後の支払額を低く抑えることができます。
総務省統計局が出している調査によると、年齢が上がるにつれて持ち家の比率が上昇をしていて、45歳以上になると6割以上、55歳以上になると7割以上が物件を購入しているのが現状です。
また、厚生労働省が行った2019年の調査から、高齢者世帯の平均所得金額は318万円であり、そのうちの62.8%が公的年金とされているため、仮に年金だけで生活をしようとした場合はなかなか難しいと言えます。
このことから、老後が不安な方は住居費を抑えることができる持ち家の方がオススメです。
他の物件購入に向いている人の特徴は以下を参考にしてください。
- 収入が安定していて退職までローンを完済できる見込みがある
- 家賃の支払いがもったいなく感じている
- 自宅を自分の資産としたい
- 万が一のときに家族が住む家に困らないようにしたい
- 部屋数が必要な人
家賃の支払いがもったいないと感じている人は物件の購入がオススメです。
また、収入面が安定している人がおすすめではありますが、近年では初期費用を抑えて購入できるケースや、35年を越えてローンを組むことができる金融機関もあるので金銭面での不安は解消されつつあります。
賃貸に向いている人
持ち家派の人は全体の6割ほどいますが、賃貸派も多く、一生賃貸に住み続けるという人も2割から3割弱ほどいらっしゃいます。
そういった方が持ち家よりも賃貸を選んでいる理由は以下のとおりです。
- 引っ越しや転勤が多い
- 収入が安定していない
- 他に借入がある
- 健康状態に不安がある
仕事の都合で引っ越しが多い人や収入が不安定な人は賃貸の方が適しています。
また、既にお子さんがいて教育ローンやマイカーローンなどに加入している人も借入が既にある状態なので、新たに住宅ローンを借り入れるのが難しいです。
ただし、最近では住宅ローンに他のローンや家具家電の購入費用も組み込むことができる金融機関がありますので、こういった支払いに関する懸念点は解消されてきています。
もし、借入や初期費用などの理由で持ち家の購入を悩んでいる人は下記の記事で詳しくまとめていますので、そちらを参考にしてみてください。
家を買う時代が終わったという話は真実なのか
近年、「家を買う時代が終わった」という話をよく耳にしたり、知名度のある方が「持ち家よりも賃貸がオトク」という話をしたことでネット記事にも取り上げられて話題になりました。
果たしてこの話は真実なのでしょうか。
ここからは、この話題を専門家の目線で解説をしていきます。
仮に価値が半減したとしても家は買った方が有利
確かに不動産投資は、バブル期のように不動産価格が大幅に上昇することはないので投資としての魅力は少なくなっています。
しかし、それは資産価値がないというわけではありません。
例えば、同じ価格で賃貸と持ち家を購入した場合を考えてみましょう。
項目 | 持ち家 | 賃貸 |
---|---|---|
支払い総額 | 約3,000万円 | 約3,000万円 |
物件価格 | 約2,874万円 | 大家や管理会社が保有しているため無し |
30年後に手元に残る資産 | 約1,437万円 | 0円 |
生涯で支払った家賃の総額が物件の購入金額と同じ額を支払っていたとしても、最終的に手元に残るものはありません。
一方、持ち家の場合だと仮に購入時の価格から半減したとしても、その分の資産価値が残ります。
例えば、これが半減ではなく、1/3や1/5に減っていた場合であっても資産としての価値がなくなる訳ではありません。
年齢を重ねてから物件を買うと総支払いが多くなる
ネットニュースにもなった内容には「高齢になって賃貸を借りると断られるケースがあるなら、そのタイミングで家を購入すればいい」といった話も出てきていました。
しかし、70代や80代まで賃貸で過ごした後に家を購入するとなると、それまでに支払った家賃がムダになってしまいます。
例えば、70代まで家賃を7,000万円支払っていて、そこから3,000万円の中古マンションを購入した場合だと、住居費の総額が一億円を超えていたとしても手元に残る資産は少ないです。
最初から支払総額が一億円ほどの物件を購入しておいた方が、老後に残る資産としては上記の場合よりも多くなります。
同額の支払額なのにも関わらず、手持ちに残った資産の価値にかなりの差が生まれますし、家賃を払いながら購入資金を貯めるということは、いわば住居費を二重に支出しているのと同じです。
この観点から考えると、老後に物件を購入するよりも、早めに購入しておいた方がお得だということが分かります。
まとめ
賃貸と購入、どちらが得かという問題は単純に結論を出せるものではなく、長所は一長一短あります。
しかし、長期的な視点で見れば、購入には賃貸にはないメリットがあることは確かです。
資産形成や老後の安定、自分好みのリフォームができるなど、持ち家ならではの利点は大きいと言えるでしょう。
そして、物件を購入を考えているなら、ぜひ当社にご相談ください。
当社では仲介手数料最大無料のサービスを提供しているので、価格を抑えながら理想のマイホームを手に入れることが可能です。
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松浦玉枝税理士事務所
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東京税理士会所属。準大手税理士法人で約10年の経験を積み、2023年に品川区で独立開業。
法人や個人に対し幅広い税務サービスを提供。クライアントのニーズに柔軟に対応することをモットーとしている。
プライベートでは2児の母。