シングルマザーも安心!住宅ローン審査のポイントと補助制度について専門家が解説!
シングルマザーの方の中には、将来的なことを考えてマイホームを検討している方も少なくありません。
しかし、多くの方が住宅ローンの審査に通りにくいのではないかという不安を抱えているのが現状です。
結論から言えば、シングルマザーでも住宅ローンを利用して家を買うことはできます。
ただし、住宅ローンの審査項目や重要視される項目を理解しておく必要があり、事前にこれから紹介するポイントを抑えておく方が良いと言えるでしょう。
この記事では、シングルマザーの方が住宅ローンを組む際の注意点やコツ、利用できる支援制度などを詳しく紹介していきます。
マイホームの購入を悩んでいるシングルマザーの方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
シングルマザーでも住宅ローンを組むことは可能
令和3年度に行われた厚生労働省の調査から、全国で母子世帯数は119.5万世帯で、父子世帯数は14.9万世帯であるということが分かりました。
また、同調査から父子世帯の世帯平均年間収入は606万円であり、母子世帯は272万円だと分かります。
ひとり親世帯の約8割ほどが母子世帯であり、経済面でも年収が平均よりも低いことから、シングルマザーのみならず「ひとり親世帯では住宅ローンの審査に通りづらい」というイメージがついてしまっている状態です。
ですが、住宅ローンに関してはひとり親だからと言って審査に通らない訳ではありません。
ここからは、シングルマザーでも住宅ローンを組むことができる理由について詳しく解説していきます。
性別や家庭環境が審査を妨げることはない
住宅ローンの審査において、性別や家族構成が融資の可否を左右することはありません。
その理由は、金融機関が住宅ローンの審査の際に考慮する上位10項目を見ていただくと分かります。
項目 | 融資を行う際に考慮する金融機関の割合 |
---|---|
完済時年齢 | 98.5% |
健康状態 | 96.6% |
借入時年齢 | 96.0% |
年収 | 94.0% |
勤続年数 | 93.6% |
返済負担率 | 92.0% |
担保評価 | 91.8% |
金融機関の営業エリア | 90.4% |
連帯保証 | 87.1% |
国籍 | 75.6% |
このように、金融期間が考慮する上位10項目の中には性別や家族構成は含まれておらず、重要視されている項目は年齢や年収だと分かります。
この調査で家族構成を考慮していると言った金融機関は「34.9%」で、調査の中で上から17番目。
性別を考慮すると言った金融機関は「24.4%」と調査において最も低い項目です。
このことから、性別や家族構成を考慮している金融機関が少ないことがお分かりいただけるかと思います。
母子家庭の住居所有状況は約16%
厚生労働省の「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果」によると、本人名義の「持ち家」に住むシングルマザー世帯の割合は全体の15.9%です。
賃貸や公営住宅などに住んでいる借家に住んでいる割合が全体の6割以上を占めていますが、それでもシングルマザー世帯の6世帯に1世帯は、本人名義のマイホームに住んでいることが分かりました。
このことを考えると、シングルマザーのマイホーム購入は実現可能な選択肢であると言えるでしょう。
シングルマザーの約4割はパートやアルバイト
厚生労働省の調査によると、シングルマザーの「86.4%」が就業をしていることが分かります。
就業していると答えた人の就業状況の内訳は以下のとおりです。
就業状況 | 割合 |
---|---|
正規の職員 従業員 |
48.53% |
派遣社員 | 3.70% |
パート アルバイト |
39.04% |
会社などの役員 | 0.99% |
自営業 | 4.95% |
家族従業者 | 0.38% |
その他 | 2.44% |
内訳によると、正社員として働いている方が約半数、パートやアルバイトが4割近くを占めていることが分かりました。
ただ、住宅ローンの審査項目で「雇用形態」を考慮するといった金融機関は「71.5%」ほど見受けられます。
そのため、就業状況がパートやアルバイトの場合だと審査の対象外となるケースがあるかもしれません。
ですが、金融機関によっては女性向けの住宅ローンや、収入に不安がある方向けの住宅ローンがあるので、そういった方法でも住宅ローンを組むことが可能です。
後述する女性におすすめの住宅ローンを利用すれば、パートやアルバイトの方でもお得に住宅ローンを組むことができるのでそちらを参考にしてみてください。
シングルマザーにおすすめの住宅ローン
シングルマザーの方が住宅ローンを組む際は「ひとり親世帯」向けの優遇制度がある住宅ローンを活用することがおすすめです。
例えば、女性向けの特典が付いた住宅ローンやパートやアルバイトの方でも利用できる住宅ローンなどがあります。
ここからはひとり親家庭、シングルマザー世帯におすすめな住宅ローンを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
弊社では、シングルマザーの住宅ローンに強いスタッフがご相談をお待ちしております。
住宅ローン審査や返済に対する不安など、ひとり親のご家庭の住宅購入をお手伝いしてきた実績も豊富です。
1人で悩まず、ぜひ一度専門家にご相談ください。
女性向けの特典が充実した住宅ローン
20年ほど前までは女性がローンを借りるまでは「35歳以上」や「既婚者のみ」といった審査基準が設けられていました。
ですが、女性の働き手が増えたことによって、女性向けへの特典が充実した住宅ローンなども近年では増えてきています。
今回はその中でも特に女性に人気な住宅ローンをまとめてみました。
住宅ローン | 内容 |
---|---|
りそな銀行「凛Next」 | ・一部繰上返済手数料が無料 ・就業不能時あんしん保険(保険料負担なし) ・金利0.15%上乗せで、三大疾病保障特約を付加できる |
三井住友信託銀行「ジュニさぽ」 | ・子どもの出産、6歳の誕生日、15歳の誕生日を迎えると、その都度一年間は金利が0.1%優遇。 ・出産後に子育て用品が割引となるクーポンが付与 |
武蔵野銀行「むさしのロング・エスコート」 | ・住宅ローン利用中、家事代行や育児 ・介護サービス、旅行、グルメなどの優待サービス ・床面積30㎡以上から利用可能(通常は40㎡以上) ・出産や育児により長期休暇をされる場合は、最長二年間の元金据置が可能 |
女性はがんのリスクが高く、特に16人に1人が乳がんにかかると言われています。
そのため、女性におすすめできる住宅ローンとしては疾病保障がされているものや、子育て用品などが割引となる住宅ローンがおすすめです。
通常の住宅ローンよりもお得なサービスを受けられるため、積極的に検討をしてみましょう。
収入が不安な方は両親との収入合算や親子リレーローン
収入に不安がある場合は、親族と収入を合算して住宅ローンを申し込むという方法もあります。
ただし、金融機関によっては取り扱っていない場合がありますので、事前に取扱の有無を調べる必要があるので注意が必要です。
また、親子リレーローンとは、親と子の二世代にわたって返済を行う住宅ローンのことで、一般的には親が高齢または定年退職となったタイミングで、親から子へと住宅ローンを引き継ぐ仕組みです。
メリットは単独よりも融資額を増やせたり、親が高齢でもローンを組みやすいという点があります。
ただし、親が亡くなっても住宅ローンが残るというリスクがあるので、検討する時はその点を考慮するようにしましょう。
パートや契約社員の方はフラット35
フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して貸し付けを行う住宅ローンです。
審査時に雇用形態の制限を設けていないため、パート・アルバイト・契約社員・派遣社員など非正規雇用の労働者も審査の対象となります。
フラット35は毎月の返済額が家賃を払うように一定で家計管理がしやすく、金利変動リスクもないため、将来が不安だと言う方にもおすすめです。
特にシングルマザーの方には、フラット35の「子育てプラス」という支援制度がおすすめと言えるでしょう。
フラット35「子育てプラス」とは、新しい子育て支援制度で、政府の補正予算により2024年2月13日資金受け取り分から適用が開始されました。
お子さんの人数に応じて金利が引き下げられるため、お子さんの人数が多いご家庭にも優しい制度となっています。
児童扶養手当は住宅ローンの利用に影響しない
シングルマザーの中には、児童扶養手当(母子手当)を受けている方も多いと思います。
児童扶養手当とは、ひとり親のもとで生活をしている児童が安定した生活を送れるよう、子どもを養育している方に支給される手当です。
この児童扶養手当は、物件の購入や住宅ローンの利用に影響することはありません。
住宅ローンの審査では主に返済能力が重視されるため、児童扶養手当の受給自体が住宅ローンの審査結果を左右することはないです。
条件から外れたら手当が外れる場合がある
児童扶養手当が住宅ローンの審査に影響を与えることはありませんが、条件から外れた場合は手当が打ち切られる可能性があるので注意しましょう。
例えば以下のようなケースは手当が受けられなくなる可能性があります。
- 両親や兄弟姉妹と同居した場合
- 他の親族と同居した場合
児童扶養手当は一人親の家庭に対する制度で、所得額に応じて手当てが支給される制度です。
しかし、上記のように誰かと一緒に住む場合は、同じ世帯として同居人との所得を合算した金額が所得額になるため、所得額の合計が手当の定める所得以上になってしまう恐れがあります。
住宅ローンを組む上で、前述した「収入合算」や「親子リレーローン」の影響から上記のような状態になってしまう可能性もあるので、手当の条件などは十分に把握をしておくようにしましょう。
住宅ローン審査を通るための年収と自己資金目安
年収に関しては住宅ローンの審査で考慮すると答えた金融機関が94%もあり、ある一定の年収がなければ住宅ローンの審査に通らない場合があります。
また、審査に通ったとしても住宅費用をすべて住宅ローンで借り入れることができない場合もあるため、借入可能額や自己資金額に関しても知っておかなければなりません。
ここでは、住宅ローンの審査を通過するために必要な年収と自己資金の目安について解説します。
年収と住宅ローン借入可能額の目安
シングルマザーの方が住宅ローンを検討する際、自分の年収でどのくらいの金額まで借り入れできるのか気になるところだと思います。
ここでは、年収ごとの借入可能額の目安をご紹介します。
条件は、全期間固定金利のフラット35を選択し、2024年度の最新金利である年1.44%で計算しました。
元利均等返済、返済期間は35年間でのシミュレーションです。
年収100万円から500万円までを50万円単位で計算し、返済負担率がフラット35の上限である30%となる借入可能額を算出してみました。
年収 | 借入可能額 |
---|---|
100万円 | 約710万円 |
150万円 | 約1,065万円 |
200万円 | 約1,420万円 |
250万円 | 約1,775万円 |
300万円 | 約2,130万円 |
350万円 | 約2,485万円 |
400万円 | 約2,840万円 |
450万円 | 約3,195万円 |
500万円 | 約3,550万円 |
この表を見ると年収400万円から約3000万円弱の借入を行うことができることが分かります。
三大都市圏における平均購入資金は中古戸建て住宅が3,340万円、中古集合住宅のが2,941万円なので、おおよそ年収が400万円程度ある方ならこの価格帯の住宅を購入することが可能です。
ですが、返済負担率が30%では返済計画が厳しくなるため、この金額はあくまで借入可能額の目安だということを念頭においておきましょう。
実際にローンを組んでいる人の年収は400万円以上が多い
住宅ローンを組もうとする際、気になるのが年収の条件だと思います。
どの程度の年収があれば住宅ローンの審査に通ることができるのかを、実際に住宅ローンを利用している人の年収データから見ていきましょう。
世帯年収 | 利用割合 |
---|---|
400万円未満 | 19.9% |
600万円未満 | 39.2% |
800万円未満 | 21.5% |
1000万円未満 | 9.5% |
1200万円未満 | 4.3% |
1200万円以上 | 5.6% |
住宅金融支援機構の調査によると、世帯年収400万円未満の利用割合は全体の19.9%を占めており、一番割合が多かったのは400万円以上600万円未満の約4割です。
このことから、おおよそ年収400万円が住宅ローンの審査に通るかどうかの基準になるのが想像できます。
ただし、この年収400万円というのはあくまで目安で、金融機関やローン商品によって変わってくることを抑えておいてください。
例をあげると、前述したフラット35には最低年収の設定がなく、年収が400万円未満でも通る可能性があります。
一方で大手銀行の中には、よりリスクを回避するために年収の審査が厳格な場合もあり、年収が400万円でも審査に通ることが難しいケースもあります。
金融機関によっては年収150万円や200万円からでも可能
住宅ローンで年収を審査項目にあげている金融機関は全体の92.9%もありますが、その金融機関が「どの程度の年収があればよいか」という回答をしているデータがあります。
実際に金融機関はどの程度の年収が必要だと言っているのでしょうか。
以下の表は、金融機関の最低年収基準をまとめたものです。
最低年収基準 | 金融機関回答数 |
---|---|
100万円以上 | 258件 |
150万円以上 | 405件 |
200万円以上 | 71件 |
250万円以上 | 25件 |
その他 | 205件 |
この表から、金融機関によっては年収100万円から150万円程度でも住宅ローンを借りられることがわかります。
特に、年収が200以上あれば、ある程度の金融機関の審査基準をクリアできると言えるでしょう。
ただし、年収が低い場合は返済負担を十分に考慮する必要がありますので、無理のない範囲で返済計画を立てる必要があります。
自己資金は最低でも10%は用意をしておく
住宅ローンを組む際は、自己資金を最低でも10%程度は用意しておくことが望ましいです。
近年、頭金が0でも問題ない住宅ローンが増えてきましたが、その一方で審査基準が厳格化し、頭金なしでは審査が通りにくくなった金融機関もあります。
金融機関の審査項目でも「返済負担率」は92%の金融機関が考慮をしていると答えているため、自己資金を用意しておかなければ審査に通りにくいです。
2023年度のマンション所有者の調査によると自己資金比率は平均で21.7%ですので、多くの方が物件価格に対して2割程度を用意していることが分かります。
また、初期費用に関しては頭金以外にも事務手数料や登記費用などの諸費用がかかることを忘れてはいけません。
特に仲介手数料は物件価格によっては100万円を超える場合もあります。
返済計画を立てるためにも現在検討中の物件の価格でどれくらいの仲介手数料がかかるのかを事前に調べておくようにしましょう。
シングルマザーが住宅を購入するときに抑えておくべきポイント
シングルマザーが住宅を購入する際には、いくつかの重要なポイントを抑えておく必要があります。
ここでは、子育てのしやすさや費用面など、シングルマザーが住宅購入時に特に注意すべき点について解説します。
シングルマザーに持ち家が選ばれる理由
物件を購入する前に、他の人がどのような理由で賃貸ではなく持ち家を選んでいるかを知っておく必要があります。
昔から賃貸派と持ち家派の二分化はよく話題に上がっていましたが、シングルマザーの方が持ち家を選ぶ理由は何でしょうか。
弊社が住宅ローン相談から購入の仲介までを携わったシングルマザーの方々は以下のように回答しております。
- 子どもに資産を残せる
- 内装や間取りを自由に変更できる
- 賃貸の家賃を払うよりも割安になる可能性もある
- 設備やセキュリティの面で質が高い
- 賃貸よりも間取りが広い
資産を残せるからといった理由や、子どもの成長に合わせて自由に間取りや内装を変えられるといった理由が多く見受けられる結果となりました。
特に「設備やセキュリティの面で質が高い」といった点を重要視している方が多く見受けられました。
子どもの安全や快適な生活環境を確保しやすいのは持ち家の大きなメリットだと言えます。
賃貸と持ち家のどちらがお得かどうかは以下の記事で詳しく書いていますので、気になる方はぜひ見てみてください。
子育てがしやすい環境かどうか
シングルマザーにとって、子育てのしやすさは住宅選びの重要な要素です。
特に以下に紹介する項目は抑えておきたい項目になるのでチェックしてみてください。
- 保育園や学校から近い
- 通勤のアクセスが良い
- スーパーや病院などの生活インフラが近くにある
- 周辺環境の治安が良い
- 防犯設備が整っている
- 子どもの声が響きにくい
特に子どもの声や足音で隣人トラブルになってしまうケースが多いため、戸建てかマンションだとしても鉄筋コンクリート造のマンションがおすすめです。
これらの条件すべてが整っているのが理想的ですが、条件を満たしている物件ほど価格も高く、初期費用も高額になってしまいます。
自分にとって最も重要な条件を見極めながら物件選びを進めましょう。
購入する際にかかる費用を把握しておく
賃貸住宅では修繕費用や設備費用などを大家さんが負担してくれますが、マイホームではそれらを自己負担しなければなりません。
新築マンションでは物件価格の3%〜5%、中古マンションでは物件価格の6%〜8%ほどの諸費用がかかると言われています。
主な諸費用は以下の通りです。
- 手付金
- ローン手数料
- ローン保証料
- 融資手数料
- 不動産取得税
- 固定資産税
- 都市計画税
- 登録免許税
- 印紙税
- 火災保険料・地震保険料
- 団体信用生命保険の保険料
- 司法書士への報酬
中古マンションを購入する場合だと上記の諸費用に加え、仲介手数料がかかってきます。
例えば、4000万円の物件を購入する場合で考えると、仲介手数料は最大で約140万円にものぼり、初期費用の中でも費用負担が大きい項目です。
ただし、この仲介手数料は不動産会社が上限の範囲内で自由に金額を設定できる費用になるため、不動産会社によっては仲介手数料を抑えることができる場合があります。
弊社では仲介手数料最大無料のキャンペーンを実施しておりますので、費用をお安く抑えたい方はお早めにお問い合わせください。
妊娠中は団体信用生命保険に加入できないケースがある
団体信用生命保険とは、借主が死亡や高度障害状態になった場合に住宅ローンの残債を保障してくれる保険です。
この保険の加入には他の保険と同じく健康状態の審査があるのですが、妊娠中の方は流産や早産のリスクがあると判断され、団信に加入できないケースがあります。
団体信用生命保険への加入が必須とされている金融機関もあるため、妊娠中の方は注意をしましょう。
もし、住宅購入を検討している場合だと加入のタイミングを考慮し、購入時期をずらすことをおすすめします。
シングルマザーが利用できる公的な支援や優遇制度
国や地方自治体はひとり親家庭の生活の安定と自立を促進するために、様々な支援策を用意しています。
控除や手当など制度の種類が豊富であるため、今回は住宅購入の際に役立てられる制度をピックアップしました。
シングルマザーの方で住宅ローンを組もうと考えている方は、これから紹介する際に公的支援や優遇制度を参考にしてください。
母子父子寡婦福祉資金貸付制度
こども家庭庁から出されている「母子父子寡婦福祉資金貸付制度」は、20歳未満の児童を扶養している配偶者のない女子または男子、寡婦等が対象の貸付制度です。
資金用途がかなり細かく分類されていて、その中でも住宅資金に使うことができるものがありますのでそちらを紹介します。
項目 | 内容 |
---|---|
資金用途 | 住宅を建設し、購入し、補修し、改築し、又は増築するのに必要な資金 |
対象 | 母子家庭の母 父子家庭の父 寡婦 |
資金内容 | 限度額:150万円 据置期間:6ヶ月 償還期間:6年以内 利率:無利子(保証人有) 利率:年1.0%(保証人無) |
住宅資金の他にも修学資金や結婚資金、生活資金などもあります。
申請方法や問い合わせ方法は、お近くの地方公共団体の福祉担当窓口にお問い合わせください。
ひとり親控除
「ひとり親控除」とは、令和2年の税制改正によって新設された所得控除で、納税者がひとり親である場合に受けることができる控除です。
所得控除とは、所得金額から一定の金額を差し引いて税金を算出する仕組みのことを指します。
- その人と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる一定の人がいないこと
- 生計を共にする子がいること
- 合計所得金額が500万円以下であること
控除額は子どもの人数に関わらず一律35万円です。
また、この「生計を一にする子がいること」の中にある「子」は、その年分の総所得金額等が48万円以下で、他の人の同一生計配偶者や扶養親族になっていない人に限られます。
また、ひとり親控除に関しては「婚姻の事実のないシングルマザー」も控除対象となりますので、後述する寡婦控除と混同しないように注意が必要です。
寡婦控除
対象となる寡婦とは、「ひとり親」に該当せず、次のいずれかに当てはまる人です。
- 夫と離婚後に婚姻をしておらず扶養親族がいる人で、合計所得金額が500万円以下の人
- 夫と死別後に婚姻をしていない、または夫の生死が明らかでない一定の人で、合計所得金額が500万円以下の人(扶養親族の要件なし)
なお、ひとり親控除と同様に事実婚と認められる一定の人がいる場合には対象となりません。
この制度は先程の「ひとり親控除」とよく間違える方が多いので注意が必要です。
ひとり親控除は結婚歴を問わないため未婚のシングルマザーも対象となりますが、寡婦控除は結婚歴があることが要件となります。
児童扶養手当
児童扶養手当は、シングルマザーなど、子どもを養育するひとり親に支払われる手当です。
支給要件は18歳までの子どもを育てる母または父、父母に代わり養育にあたる祖父母など養育者も含まれているため、適用範囲は広い支援制度と言えます。
人数 | 支給額 ※令和6年3月 |
---|---|
児童1人目 | 月額:4万4140円(一部支給:1万410円〜4万4130円) |
児童2人目 | 加算額:1万420円(一部支給:5210円〜1万410円) |
児童3人目以降、1人につき | 加算額:6250円(一部支給:3130円〜6240円) |
平成31年10月までは支払回数が年3回でしたが、2024年5月時点では支給する期月が1月、3月、5月、7月、9月、11月の6回に変更されています。
前述しましたが、児童扶養手当は住宅ローンの審査には影響を及ぼさないため、安心して支援制度を受けることが可能です。
窓口は地方自治体の福祉課になるため、上記の要件に該当する方は手続きを行うようにしましょう。
まとめ
本記事では、シングルマザーが住宅ローンを組む際のポイントや注意点について解説してきました。
シングルマザーの方でも、条件を満たせば住宅ローンを借りることができます。
また、シングルマザー向けの公的支援や優遇制度を上手に活用することで、住宅購入の負担を軽減することも可能です。
住宅購入に際しては、子育てのしやすさや費用面など様々な要素を考慮する必要があります。
もし、住宅購入を考えていて「購入したいけど費用が高い」と悩んでいる方は、ぜひ弊社にお問い合わせください。
月に90組以上のお客様からご相談を受けていた実績が豊富な専門家が、シングルマザーの方のマイホーム購入を全力でサポートいたします。
松浦玉枝税理士事務所
https://matsuura-tax.tokyo/
東京税理士会所属。準大手税理士法人で約10年の経験を積み、2023年に品川区で独立開業。
法人や個人に対し幅広い税務サービスを提供。クライアントのニーズに柔軟に対応することをモットーとしている。
プライベートでは2児の母。