中古住宅購入の注意点を紹介!優良物件や買ってはいけない物件の特徴を解説
住宅価格が高騰をしている昨今では、新築よりも安価で手が届きやすい中古住宅に注目が集まっています。
しかし、中古住宅を購入するのはなんとなく不安があるという方も少なくはありません。
この記事では、中古住宅購入を検討している方に向けて、失敗しないための重要な注意点をわかりやすく解説しています。
これから中古住宅を購入を考えている方はぜひ参考にしてみて下さい。
中古住宅を購入する際に失敗しないための注意点
中古住宅とは竣工から2年を越えている住宅、または既に人が住んだことのある住宅を指します。
今までの日本では、住宅購入=新築住宅という意識が強く、中古住宅はあまり人気ではありませんでした。
しかし2021年の住宅支援機構の調査結果によると、中古住宅の割合が24.7%と過去最高の数値となっており、近年中古住宅が人気を集めていることが数字から見て取れます。
この先も需要が高まっていくであろう中古住宅ですが、購入の際には新築と異なる注意点がいくつかあります。
譲れないポイントと妥協できるポイントを明確にする
中古住宅選びでは、自分にとっての「譲れないポイント」と「譲れるポイント」を明確に区別することが重要です。
具体的には以下の4つのポイントについて考えてみましょう。
エリア | ・学校、職場、病院、最寄り駅の周辺 ・ジムやスーパーなどの生活関連サービスが近くにある |
物件タイプ | ・アパート ・マンション ・戸建て |
間取り・設備 | ・風呂とトイレ別 ・仕事部屋 ・24時間ゴミ出し可能 |
物件価格 | ・家計に見合った適正価格を設定し、他の条件を組み合わせる |
ご自身がどこを重視しているのかポイントを洗い出し、優先順位を付けた上で物件を探すと良いでしょう。
中古住宅購入の流れを把握しておく
中古住宅を購入する際の一般的な流れは以下の通りです。
- 情報収集を行い、気になる物件を見つける
- 不動産会社へ相談する
- 内見をして、実際の物件状況を確認する
- 住宅ローンの事前審査を申し込む
- 購入を決めた物件について正式に申し込みを行う
- 重要事項説明を受け、売買契約を結ぶ
- 住宅ローン契約を締結する
- 残金を支払い、物件の引き渡しを受ける
このように、中古住宅の購入には一定の手順と時間が必要になります。
また、ローンの申し込みの段階で団体信用生命保険に加入する方が多いです。
団体信用生命保険とは、住宅ローンを借りた人が死亡もしくは重度の障害を抱えた際に、保険金でローンの残額がすべて返済される仕組みの保険のことを指します。
住宅ローンは高額なローンになるため、もし不安だと感じる方は団体信用生命保険の加入を検討しましょう。
ただし、購入予定の中古住宅が違法建築物件だった場合は住宅ローン審査自体に通らない可能性があるので注意が必要です。
物件価格以外にかかる費用を把握しておく
中古住宅の購入にかかる諸費用は新築住宅を購入する時とほとんど変わりません。
ただし、中古住宅を購入する時のみに発生する費用もありますので、どんな費用があるのかを把握しておく必要があります。
項目 | 内訳 |
購入時に必要な費用 | ・頭金 ・不動産業者への仲介手数料 ・購入申込金 ・印紙税 ・事務手数料 ・登記費用 ・保証料 ・火災保険料 ・地震保険料 |
その他の費用 | ・住宅インスペクション費用(任意) ・引っ越し費用 ・家具や家電などの購入費用 |
物件価格以外にもかなりの出費が見込まれますので、これらの項目を抑えて資金計画を立てることが重要です。
リフォームや修繕費用は必要か
中古住宅を購入する際、築年数によってはリフォームや修繕が必要になる可能性があります。
築年数ごとの大まかな費用相場は以下の通りです。
築10年程度 | 50〜100万円 |
築20年程度 | 500万円前後 |
築30年以上 | 800万円以上 |
リフォームの費用相場は用途や規模によって大きく変わりますが、国土交通省の「令和元年度住宅市場動向報告書」によればリフォーム費用相場は平均178万円で、自己資金比率は76.9%です。
またリフォーム可能な箇所や費用は、物件の種類によっても変わってきます。
戸建住宅であれば建物全体を自由にリフォームできますが、その分費用は高くなるでしょう。
マンション等であればリフォームの自由度は限られますが、費用は比較的抑えることが可能です。
不動産会社だけでなく自分でも情報収集
中古住宅探しではスピード感が何より重要です。
好条件の中古住宅はすぐに買い手が見つかってしまうので、主体的に情報収集を行うことをおすすめします。
気になる中古住宅を見つけたら、手間を惜しまず不動産会社に問い合わせをしてみましょう。
また、ネットでは良い物件を見つけられないという人は、信頼できる不動産会社にどんな物件がほしいのか要望を伝えてみてください。
ネットにまだ出ていない物件情報や、見落としていた条件などを見つけることができるかもしれません。
中古住宅で買ってはいけない物件
中古住宅を購入する際は、物件の状態をしっかり確認する必要があります。
前述しましたが、購入する物件が違法建築物件の場合は住宅ローンの審査に通らない可能性があり、購入ができたとしても売却ができないという事態に陥るかもしれません。
そのほかにも買ってはいけない物件が存在するので、これから紹介するポイントを抑えて物件探しをしましょう。。
再建築不可物件
再建築不可物件とは都市計画区域と準都市計画区域内に存在する物件の内、家の建て替えができない物件のことを指します。
1950年にできた建築基準法には「接道義務」が設けられていて、これにより幅員4m以上の道路に2m以上接していないといけません。
その背景には、救急車などの緊急車両が入れるようにするという目的があります。
ですが、この建築基準法ができる前には接道義務はなかったため、道路に面していない物件であっても建築が可能でした。
そのため、建築基準法ができる以前に建てられた中古住宅を購入し立て直しをしようとした場合、建築基準法違反のため再建築ができなくなってしまうのです。
リフォームをして住むことは可能ですが、長期的な視点で見れば再建築不可物件を購入するメリットは低いといえるでしょう。
要セットバック物件
セットバックとは、敷地や住宅を前面道路から後退させ、後退させた分の土地を道路として提供することを指します。
建て替え予定がない場合は、そのままでも住み続けることが可能です。
しかし、建て替えようとした場合は、現在の建物や敷地を前面の道路から後退させなければなりません。
将来的に敷地が狭くなってしまう可能性があるため、実際に敷地として使用できる土地面積を考慮して物件を選ぶようにしましょう。
旗竿地
旗竿地は前面道路に細い敷地が繋がっている袋地状の土地を指す言葉です。
ここに建てられた物件は、以下のようなデメリットがあるので注意をしましょう。
- 日当たりや風通りが悪くなり、湿気が溜まりやすい。
- 建築コストが高くなる可能性が高い
- 駐車スペースの幅に制限がある
中には前述した接道義務を満たしていない物件もありますので、旗竿地に建てられた物件を購入するのは避けた方が良いでしょう。
建ぺい率と容積率オーバー
建ぺい率とは敷地面積に対する建築面積の割合のことで、容積率は敷地面積に対する建築延べ床面積の割合のことです。
これらは法で定められた基準値があり、基準値の上限に達している物件は増築ができません。
この基準値を守らずに建てられた建物は違反建築物となり、資産価値がなくなってしまうため売却も困難です。
また、担保価値が認められないため住宅ローンを受けることも難しいでしょう。
2m以上の段差がある土地
高低差が2m以上ある土地では擁壁工事を行う必要がある可能性があります。
住宅が建てられた後に条例が制定されている場合は、建て替えをする際に擁壁工事をやり直さなければなりません。
そうなった場合、数十万から数百万円の工事費用がかかってしまいます。
また、擁壁や壁によって段差が2m以上あると建物を建てる場所に制限がかかるため、イメージ通りの場所に建物を建てることができません。
既に擁壁などがある中古住宅を購入する場合は、既存の擁壁が現行の基準をクリアしているかを確認しましょう。
災害リスクがある物件
販売図面上では理想的な中古住宅でも、立地が災害リスクの高い場所の可能性があります。
災害リスクをチェックする上では、以下のような点に注目して物件選びを行いましょう。
- 内水氾濫のリスク
- 土砂災害の危険性
- 津波や高潮の被害想定
- 地震に伴う液状化の可能性
駅の近くなどの利便性が高い場所は平地であることが多く、地盤がしっかりとしていない場合があります。
中古住宅を探す際はハザードマップなどを活用し、利便性の他に災害リスクも確認することが重要です。
良質な中古住宅の選び方
新築物件よりも安価に購入することができる中古住宅ですが、価格ばかり意識しすぎてしまうと物件選びに失敗してしまいます。
中古住宅を購入する際は価格以外のポイントにも目を向け、物件の良し悪しを見極めることが重要です。
これから紹介するポイントは、良質な中古住宅選びに役立つので、参考にしてみてください。
現在ではなく将来を見据えた間取り
間取りを選ぶ際は現在の家族構成だけでなく、将来的な変化も考える必要があります。
たとえば、親と同居する可能性や子どもが独立して人数が減るといったケースが多いです。
他には住人が年を取ってバリアフリーのリフォームが必要になる場合などが挙げられます。
今必要な観点のみで中古住宅を選ぶのではなく、長期的な視点で物件を見極めるようにしましょう。
物件情報と地域周辺を調査
良質な中古住宅を見つけるには、物件情報や地域の環境について細かくチェックすることが重要です。
- 地図で見ただけでは分からない現場の雰囲気を実際に歩いて確かめる
- 通勤・通学時の主要ルートを歩いてみる
- 外観だけでなく、近隣の施設や設備なども併せて確認する
内装や設備が良いと思っていても、実は交通の便が悪かったり駐車場が入りにくかったりというケースがあります。
物件情報を探すときは実際に足を運んでみて、可能なら聞き込み調査などを行うと良いでしょう。
屋根や外壁などで家の耐久性を確認
中古住宅の場合、建物の耐久性が気になるところです。
以下に紹介する住宅の外観部分を確認してみましょう。
確認部位 | 着目ポイント |
屋根 | ・瓦や屋根板の破損や傷み ・塗装の剥がれ |
外壁 | ・ひび割れ ・剥がれ |
軒天 | ・雨の染み ・腐食や傷み |
基礎 | ・沈下 ・亀裂 |
劣化の度合いによっては大規模な修繕が必要となる場合もあります。
特に基礎や外壁のひび割れが0.5mm以上の場合は、耐久性に問題が出る可能性があるので注意しましょう。
建物の傾斜や老朽化
中古住宅を見る際は、建物の傾斜や老朽化にも注意が必要です。
1981年の新耐震基準導入以前の建物は地盤の緩みなどで傾斜している可能性があり、木造住宅は経年劣化により、床にたわみが出てくることもあります。
床のたわみに関しては、ドアや収納の開閉がスムーズかどうかでたわみを確認できるので内覧時にチェックしてみましょう。
また、雨漏りやシロアリ被害のリスクも見落とせません。
一般的に新築時の雨漏り保証は10年、シロアリ保証は5年です。
築10年を過ぎている中古住宅を購入する時は、これらの予防効果が切れている可能性があり、シロアリ被害や雨漏りの被害リスクが高まってしまいます。
中古住宅を購入する際は、防水性能や防蟻性能が保持されているかの確認も行うようにしましょう。
耐震基準や断熱性能に問題はないか
耐震性は、建築基準法の改正タイミングによって大きく変わります。
まず、建築基準法は1950年に制定され、耐震基準は1971年、1981年、2000年に大きな改正が行われました。
1981年5月31日までに確認申請を受けた建物は「旧耐震」、1981年6月1日以降の確認申請を受けた建物は「新耐震」と呼ばれます。
旧耐震では「震度5程度の中地震では大きな損傷を受けないこと」が基準とされており、新耐震では「中地震では軽微な損傷にとどめ、震度6程度の大地震で倒壊や損傷を受けない」という基準です。
断熱性能に関しては明確な基準はありませんが、2025年以降に建てられる建物には断熱性能が義務化されることが分かっています。
その背景には「2050年カーボンニュートラルの実現」があり、この政策実現のためにエネルギー消費の約3割を占める建築分野の省エネ対策が不可欠ということです。
温暖化が進んでいる昨今と比較的過ごしやすかった数十年前では温度や環境が異なります。
築年数が古い住宅ほど耐震性や断熱性に課題がある可能性が高いので、物件探しをする時は築年数をチェックするようにしましょう。
売りに出された理由はなにか
中古住宅が売りに出された理由は可能なら把握をしておくべきです。
引っ越しや家族構成の変化の場合はあまり問題はありませんが、以下に紹介する内容だった場合は注意する必要があります。
- マンション建設で日当たりや景観が悪化した
- 近隣トラブル
- 治安の悪化
学校からも近くて通学に便利な物件なのに、小さいお子さんのいる家庭が売りに出している場合は近隣トラブルの可能性が大きいです。
周辺の物件も同時期に売りに出された場合は、その地域の治安悪化か何かしらの事件があった場合が考えられます。
売りに出された理由は仲介業者が売り主から調査をしているため、不安な方は売りに出された理由を実際に聞いてみましょう。
不安な場合はホームインスペクションをプロに依頼する
中古住宅を購入する際、構造上の欠陥や目に見えない部分の劣化は自分の目で確認するだけでは不安が残るかと思います。
このような不安を解消するためには、ホームインスペクションのサービスを利用することがおすすめです。
ホームインスペクションとは住宅診断士が物件の現状を詳細に調査し、必要な修繕や改修費用の見積もり、さらには具体的な修繕のアドバイスまで提供してくれます。
費用相場は5万円から10万円が目安で、自分では気づきにくい問題点を専門家が発見してくれるため、購入後のトラブルや思わぬ出費を抑えることが可能です。
また、一部の不動産会社では、指定のホームインスペクション会社への依頼で費用を負担してくれる場合もあります。
購入を検討している中古物件でリフォームを考えている場合は、ホームインスペクションを利用してみると良いでしょう。
中古住宅購入の契約に関する注意点
新築住宅とは異なり、中古物件を購入する際の契約には様々な注意点があります。
契約書の内容を正確に理解し、物件の状態や取り決め事項について十分に把握することが重要です。
思わぬトラブルに巻き込まれるリスクを避けるため、ここでは契約時の要注意ポイントをお伝えします。
余裕のあるローン返済計画を立てる
現在は超低金利環境が続いているため、住宅ローンを借りるのには良い環境です。
ですが、住宅金融支援機構のデータによれば、住宅ローン滞納率は低い数値ではありません。
2015年の滞納率は5.12%で2019年度には3.20%まで改善していますが、2020年度には再び3.48%に上昇しています。
このような滞納率の上昇の背景には、一般的にはコロナ禍による収入減がある言われていますが、若年層における返済負担率の高い借り入れも無視はできません。
この若年層の高い借り入れの原因の一つは、中古住宅市場の需要拡大における物件価格の上昇です。
中古住宅は土地面積が縮小傾向にあるにも関わらず、不動産流通機構が2021年に行った調査によると成約件数、成約価格ともに上昇をしています。
超低金利環境が続き、若年世帯が住宅購入をしやすい環境になった一方で、金利や負担率への正しい理解がないまま高い返済負担率になってしまっているのです。
返済負担率の目安は25%以下であることが推奨されているため、住宅ローンを借りるときは返済負担率を意識し、余裕のあるローン返済計画を立てるようにしましょう。
中古住宅でも住宅ローン減税は利用できるが条件がある
中古住宅を購入時に住宅ローン控除を受けるためには、以下の条件を満たしておく必要があります。
- 契約者が居住するための住宅
- 床面積50m²以上
- 住宅ローンの返済期間が10年以上
- 合計所得金額が2000万円以下
- 引渡しまたは工事完了から6ヶ月以内に入居をしている
- 新耐震基準に適合している物件
従来の中古住宅控除の条件は「耐火住宅築25年以内、非耐火住宅築20年以内」という築年数の要件でしたが、それが「新耐震基準に適合している住宅」に変更されました。
1982年以降に建築された住宅はこの新耐震基準に適合していることになるので、築年数の古い中古住宅でも購入しやすくなりました。
新築の住宅ローン控除の条件とは異なるため、これらの条件をしっかりと抑えておきましょう。
瑕疵担保責任、既存住宅売買瑕疵保険の違いについて知っておく
中古住宅を購入する際、「瑕疵担保責任」と「既存住宅売買瑕疵保険」の2点を理解しておく必要があります。
瑕疵担保責任とは、民法で定められた売主の責任です。
定められた期間内に構造耐力上の主要な部位や、雨水の浸入を防ぐ部分に重大な欠陥が発見された場合は、売主はその修補や損害賠償の責任を負います。
ただし、購入時に欠陥が開示されている場合は「隠れた瑕疵」には当たらないため、この限りではありません。
一方の既存住宅売買瑕疵保険は、保険会社が販売する保険商品です。
構造耐力上の主要部分や雨水浸入防止をする部分についてはこの保険の対象となります。
ただし、各保険会社によっては、白蟻や給排水管は別途オプションとなっていることがありますので注意が必要です。
売買契約後に購入キャンセルをしても手付金は戻ってこないので注意
手付金とは住宅の売買契約が成立したときに買主が売主に対して支払う金銭のことです。
手付金の額は売買代金の5〜10%が目安であり、物件が引き渡される際に物件価格として充当されます。
無事に契約が履行された時や、売り手都合でキャンセルされた場合はこの手付金が返ってくるのですが、買い手の都合でキャンセルをした場合は手付金は返ってきません。
ただし、住宅ローンの審査に落ちてしまった場合は、特約をつけていれば手付金を回収することができます。
そのため、ローンが落ちてしまった場合のことを考えて特約を設けておくようにしましょう。
中古住宅購入のメリット
中古住宅は、新築住宅にはない多くのメリットがあります。
弊社で中古住宅を購入された方の購入の理由を聞いてみると「価格が新築住宅よりもやすいから」や「家や周辺の生活環境を見てから選ぶことができる」という理由が多く見受けられました。
今回は、上記のメリットに加えて不動産会社の目線から考える中古住宅購入のメリットをご紹介します。
築古物件の中には土地代だけで購入できる中古住宅がある
中古住宅を探している方は、築30年以上の物件の中に「土地代だけ」で購入できる物件があることを抑えておきましょう。
一般的に中古物件の価値は時間とともに下がっていき、20年〜25年で価値がゼロになってしまいます。
このため、築30年を超える中古住宅は「古家付き土地」としての売買となり、土地代のみで購入できるケースがほとんどです。
土地代だけで購入をすることができると、建物にかける予算をリノベーションや新築に充てることが可能になり、自分の理想の土地に安く住むことができます。
リフォーム費用の推計は30年間で1000万円と言われていますので、新築物件を購入するよりも大幅に費用を抑えることが可能です。
買取再販の中古物件は仲介手数料がかからない場合がある
買取再販とは、不動産仲介会社などが新築や中古の物件を直接買い取り、購入する希望者に販売をすることを指します。
販売されている中古住宅は補修やリフォームをして販売されていることが多く、個人で購入をしてリフォームをするよりも費用を抑えることが可能です。
また、中古住宅購入の際、通常は仲介手数料が発生しますが、販売会社自らが売主となっている物件は仲介手数料がかかりません。
ただし、再販前提でリフォームされているため、目に見えない箇所は古いままになっている場合があります。
買取再販をされている物件を購入する際は、給排水管などの隠れている部分のチェックも欠かさないようにしましょう。
リフォーム一体型ローンなら費用を節約することが可能
防水性や耐久性に関わる大規模な修繕やリフォームは、購入と同時に行うようにしましょう。
リフォームを購入後に行う場合、通常は住宅ローンと併せてリフォームローンを利用することになります。
しかし、リフォームローンは住宅ローンに比べて金利が高く、返済期間が短いため、毎月の返済額が高くなりがちです。
そのため、大規模なリフォームをする予定の場合は「リフォーム一体型ローン」として借り入れることをおすすめします。
リフォーム一体型ローンを利用すると、リフォーム費用が住宅ローンと同じ返済期間、同金利で借りることができるため、毎月の返済額を抑えることが可能です。
一方で、リフォーム費用が上乗せになることでローン全体の返済期間が長くなり、支払利息の総額が高くなってしまう点には注意しましょう。
中古住宅購入のデメリット
中古住宅の購入には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあることを理解しておきましょう。
代表的なデメリットといえば「維持管理の手間」や「将来的な修繕費用」などがあります。
以下ではそれらのデメリットをより踏み込んで具体的に解説していきますので、メリットと併せて確認してみてください。
新築よりも早く修繕が必要
中古住宅は新築よりも早く修繕が必要になってきますが、特に築年数が15年程度の場合は大きな修繕が必要な場合があるので注意しましょう。
建物には修繕の周期というものがあり、それは一般的に15年毎が目安とされています。
以下は主な修繕内容と大まかな費用の見積もりです。
- 防蟻:15万〜25万円(5000円〜10000円/一坪)
- 外壁、屋根の塗装:100万円〜140万円
- キッチンの入れ替え:80〜100万円
- お風呂の交換:50〜150
- トイレの交換:10〜50万円
修繕箇所にもよりますが、上記の項目を修繕しようとすると合計で260万円〜300万円になります。
また、これらの修繕を行わないまま放置をしてしまうと雨漏りなどが発生し、上記の金額よりも多くの費用がかかるので注意が必要です。
購入した物件に長く住み続けるために、中古住宅を購入した際は早めに修繕を行うことをおすすめします。
物件購入価格とは別に仲介手数料がかかる
中古住宅を購入する際には、物件価格とは別に仲介手数料が発生します。
そのため、初期費用が物件価格の10%程度と高額になりがちです。
この仲介手数料は法律で上限額が決められており、下の計算式によって出される金額を越えない範囲で設定をされています。
200万円以下 | 売買金額×5% |
200万円超400万円以下 | 売買金額×4%+2万円 |
400万円超 | 売買金額×3%+6万円 |
住宅購入は基本的に400万円を超えるため、2000万円の物件購入であれば72万6千円の仲介手数料が必要という計算になります。
ですが、取引態様が「売主」となっている物件は、買主に仲介手数料がかかりません。
数は少ないですが、初期費用をなるべく抑えたいという方はそういった物件を探すのも一つの手だと言えます。
まとめ
今回は中古住宅を購入する際のさまざまな注意点を紹介させていただきました。
気になる物件がある場合、建物の状態を内見でしっかりと確認することが重要です。
建物の老朽化や、設備の耐用年数、リノベーションが必要かどうかで将来の費用が大きく変わってきます。
売買時にトラブルを防ぐために、瑕疵担保責任の確認やホームインスペクションなどの活用も視野に入れておきましょう。