【完全版】後悔しない単身のマンション購入!最適な間取りと注意点
一人暮らしでもマンションを購入する人は増えています。
現在は賃貸に住んでいるけど、毎月の家賃の支払いがもったいなく感じ、将来的な資産形成でマンションの購入を考える人も少なくありません。
ただ、物件選びから資金計画まで初めてのことだらけで不安も大きいと思います。
そんな方は今回ご紹介するポイントを抑えておくと、後悔のないマンション選びができるかもしれません。
この記事では、単身でマンションを購入する際に知っておくべきことを、経験豊富な専門家の意見を交えながら解説しています。
物件選びのコツから、資金計画の立て方など購入前に知っておきたい情報が満載ですので、ぜひ参考にしてください。
単身でマンション購入をする人は増加している
マンションの購入というとカップルやファミリーだけの話というイメージがあるかもしれません。
ですが最近では、働く独身女性や20代で頭金を準備して購入するケースなどが増えています。
国土交通省の調査によると、新築マンションを購入する単身者の割合は、平成29年度の5.1%から令和4年度には9.4%に増加しました。
中古マンションの場合は、平成29年度の11.4%から令和4年度には16.6%に上昇をしています。
このデータから単身でマンションを購入する人は増加傾向だと分かりますが、その理由は一体なんでしょうか。
ここからは単身でマンションを購入する人が増加している理由を詳しく見ていきましょう。
賃貸と同じ支払い額で持ち家を購入することができる
一人暮らしでマンションを購入する理由の一つは、賃貸とほとんど同等の支払いで持ち家を購入できるからです。
新築マンションと中古マンションの年間返済額の平均額は以下の通りになります。
マンションタイプ | 平均年間支払額 | 平均月間支払額 |
---|---|---|
新築マンション | 148.1万円 | 123,416円 |
中古マンション | 101.3万円 | 84,416円 |
これはあくまで平均額になりますが、月々の支払額が8万円なら家賃とほとんど同じ支払額でマンションを購入することができるということが分かります。
ただし、マンションを購入した場合は管理費や駐車場代などの住宅ローン以外の諸費用が必要です。
家賃と同額の支払いで購入することはできますが、マンションの住宅価格と諸費用込で計算をしてどれくらいかかるのかを確認するようにしましょう。
老後の安心にも繋がる
賃貸では住み続ける限り家賃を払い続ける必要がありますが、持ち家はローンを完済すれば家賃の心配はありません。
定年後に収入が少なくなったとしても安心して過ごすことができるでしょう。
また、賃貸物件の多くはバリアフリーに対応をしていないため、後々生活に支障が出てくる可能性があります。
持ち家だとリフォームやリノベーションをすることができるので、老後でも生活をしやすいように空間を変えることが可能です。
将来住まなくなった場合は親族に相続をしたり、賃貸として貸し出しや売却して資金を得るといった方法も取れるのが持ち家の魅力だと言えます。
独身女性も安心できる充実なセキュリティや最新設備
女性の一人暮らしでじわじわと人気を得ているのがマンションになります。
独身女性の持ち家率は平成11年から26年で約50%から約69%にまで上昇しており、一人暮らしで物件を購入するという人も増えてきました。
その中でもリクルート住まいカンパニーが首都圏新築マンションの契約者の動向をまとめた2022年度のデータでは、独身女性の割合が増えていることが分かります。
新築マンションのライフステージ別データは以下の通りです。
ライフステージ | 割合 |
---|---|
シングル男性 | 7.25% |
シングル女性 | 10.93% |
夫婦のみ世帯 | 30.22% |
子ども有り世帯 | 36.42% |
シニアカップル世帯 | 7.59% |
その他 | 7.59% |
独身女性の割合は10.93%であり、2019年度の6.5%よりも4.4%も増加している結果になりました。
このようにマンション購入が増加をしている背景には、マンションの特徴と女性のニーズがマッチしているというのがあるからだと考えます。
例えば、生ゴミの処理に便利で調理中に出た野菜の皮を粉砕し、そのまま下水に流すことができるディスポーザー。
不在時でも荷物を受け取ることができる宅配ボックスや、24時間いつでもゴミを出せるゴミ置き場など、女性にとって嬉しい設備が多いのがマンションの特徴です。
セキュリティ面でも防犯カメラの設置やオートロック、鍵が2か所に付いているダブルロックを採用している物件も多くなってきており、女性でも安心して住むことができます。
一人暮らしのマンション購入相場と適正年収
無理のない返済計画を立てるためにも、マンションの相場と適正年収を把握しておくことが大切です。
では、一人暮らしでマンションを購入するのに必要な年収はいくらぐらいなのでしょうか。
ここでは、マンションの相場とそれに見合った適正年収について詳しく解説していきます。
マンション購入相場は年収倍率によって変わる
マンションの購入相場は、年収に対する倍率で表されることが一般的です。
2022年度フラット35利用者調査によると、新築マンションの年収倍率は7.2倍、中古マンションは5.9倍となっています。
その年収倍率を元に、年収300万円〜700万円の方のマンションの相場を考えていきましょう。
年収 | 新築マンションの価格目安 | 中古マンションの価格目安 |
---|---|---|
300万円 | 2,160万円 | 1,770万円 |
400万円 | 2,880万円 | 2,360万円 |
500万円 | 3,600万円 | 2,950万円 |
600万円 | 4,320万円 | 3,540万円 |
700万円 | 5,040万円 | 4,130万円 |
これはあくまでも目安ですので、年収倍率よりも低い価格帯のマンションを購入することも可能です。
現在の住宅ローン金利は非常に低く、借入れをするには絶好のチャンスと言えるでしょう。
また、頭金を用意することで、住宅ローンの借入額を抑えることもできます。
仲介手数料などの初期費用がかからない物件であれば、年収倍率の目安よりも高い価格帯のマンションであっても購入しやすいと思います。
マンション購入の世帯年収は400万円から600万円が目安
年収倍率によってマンション購入価格が変わるとしても、どの程度の年収があればマンションを購できるのかという疑問があると思います。
住宅金融支援機構の調査によると、2022年度に住宅ローンを利用した人のうち最も多いのが世帯年収400万円以上600万円未満の39.2%でした。
マンションのみに絞ると、新築マンションで最も多いのが世帯年収400万円以上600万未満の29.7%。
中古マンションだと最も多いのは世帯年収400万円未満の33.0%です。
これらのことから、マンション購入おおよそ年収400万円から600万円が目安になると考えて良いでしょう。
住宅ローンは年収300万円以上あれば問題ない
不動産を購入するときは住宅ローンを借りるのが一般的です。
その住宅ローンを借り入れる時には最低年収基準というものがあり、この年収を越えていないと融資できないという基準が決められています。
住宅ローンの最低年収基準については以下のデータを参考にしてください。
最低年収基準 | 金融機関回答数 |
---|---|
100万円以上 | 258件 |
150万円以上 | 405件 |
200万円以上 | 71件 |
250万円以上 | 25件 |
その他 | 205件 |
このデータによるとマンション購入の目安は年収400万円から600万円ですが、金融機関によって年収100万円〜150万円ほどで借りられることがわかります。
年収が300万円以上あれば、多くの金融機関の審査基準はクリアできると言えるでしょう。
返済負担を考慮する可能性がありますが、物件を精査し返済計画などを綿密に建てておけば年収が400万未満であってもマンションの購入はできます。
年収別マンション返済負担率シュミレーション
マンションを購入するにあたって自分の年収に見合った価格帯を知ることは非常に重要です。
ここでは、一人暮らしの年収別の返済負担率シミュレーションを行います。
新築マンションと中古マンションを購入する際の返済負担率を下記の条件でシュミレーションをするので参考にして下さい。
- 年収:300万円〜800万円
- 年齢:30歳
- 頭金:頭金なし
- ボーナス支払い:なし
- 返済期間:35年
- 金利条件:変動金利0.32%
新築と中古マンションの価格については国土交通省の発表している平均価格を採用し、返済負担率に関しては「年間の返済額÷年間の収入」で求めています。
新築マンションの場合
国土交通省の調査によると新築マンションの平均価格は5,279万円です。
年間返済額は1,594,527円で、月額返済額は132,877円になります。
年収 | 手取り年収 | 返済負担率 |
---|---|---|
300万円 | 240万円 | 66.44% |
400万円 | 320万円 | 49.83% |
500万円 | 400万円 | 39.86% |
600万円 | 460万円 | 34.66% |
700万円 | 530万円 | 30.09% |
800万円 | 600万円 | 26.58% |
返済負担率は25%未満に収まると安定して返済できると言われていますが、新築マンションではどの年収でも負担率は高めの結果となりました。
ただし、これは全額を住宅ローンで借り入れる前提でのシュミレーションになりますので、実際はもっと負担率は軽いです。
同調査の中には平均自己資金も調査されており、新築マンションの購入をする際の自己資金は2,259万円とあるので、この場合は支払額の内42.8%を自己資金で支払っていることになります。
同額の自己資金を用意した場合、年収500万円時点の返済負担率が22.80%です。
新築マンションの購入者の内、年収400万円以上600万円未満の人の割合が多いというのもこのデータを元に考えると納得ができるかと思います。
中古マンションの場合
中古マンションの平均価格は2,941万円です。
年間返済額は888.332円で、月額返済額は74,028円になります。
年収 | 手取り年収 | 返済負担率 |
---|---|---|
300万円 | 240万円 | 37.01% |
400万円 | 320万円 | 27.76% |
500万円 | 400万円 | 22.21% |
600万円 | 460万円 | 19.31% |
700万円 | 530万円 | 16.76% |
800万円 | 600万円 | 14.81% |
中古マンションの場合だと自己資金を用意をせずとも年収500万円から負担率が25%未満のため、比較的購入しやすいです。
また、購入資金の内、自己資金は1,450万円で49.3%を自己資金で支払っているとあるので、その場合だと手取り300万円時点で負担率が18.78%になります。
そこまでの自己資金を用意することが難しい場合は、購入予定物件や希望条件の見直しを行うようにしましょう。
一人暮らしのマンション購入の流れ
一人暮らしでマンションを購入する際の流れは以下の通りです。
- 物件の希望条件をリストアップする
- 資金計画を立てる
- 情報収集や見学を行う
- 物件購入の申込
- 住宅ローンの事前審査
- 売買契約
- 住宅ローンの本審査申込
- 残余金の支払い
- 引き渡し
新築マンションの場合だと引き渡しの前に内覧会が開かれ、実際の物件の確認や引っ越しのスケジュールなどの説明が行われます。
残余金というのはマンション購入の際にかかる事務手数料や登録免許税などの諸費用のことです。
マンション購入はこのような流れで行われますが、上記のこと以外にも抑えておきたいポイントがあるのでご紹介します。
頭金と初期費用を準備しておく
マンションを購入したときにかかる費用は物件価格以外にも多くあり、新築マンションでは物件価格の3%〜5%で中古マンションは物件価格の6%〜8%ほどかかります。
それらの諸費用と大まかな金額は以下を参考にしてください。
項目 | 金額 |
---|---|
手付金 | ・物件価格の5%〜10% |
ローン手数料 | ・借入金額の0.5%〜2% |
ローン保証料 | ・金利上乗せタイプなら金利+0.2% |
融資手数料 | ・借入金額の1%〜3% |
不動産取得税 | ・固定資産税評価額の4% |
固定資産税 | ・固定資産税評価額の1.4% |
都市計画税 | ・固定資産税評価額の0.3% |
登録免許税 | ・固定資産税評価額の1%〜2% |
印紙税 | ・1000万円〜5000万円以下なら2万円 ・5000万円〜1億円以下なら6万円 |
火災保険料・地震保険料 | ・10年一括契約の場合は、20万円〜40万円 |
団体信用生命保険の保険料 | ・特約を不可すると通常金利+0.3%程度 |
司法書士への報酬 | ・3万円〜15万円 |
中古マンションの場合だと上記の諸費用に加えて仲介手数料などが更にかかるため、初期費用が新築マンションよりも高くなります。
ただ、仲介手数料は不動産会社が自由に設定できる諸費用です。
そのため、会社によっては仲介手数料が無料になる可能性があります。
ご希望の物件の仲介手数料が知りたい方は、下記のフォームに物件価格を入力をしてみてください。
初期費用がどれくらいかかるかを正確に把握し、しっかりと返済計画を立てていきましょう。
勤続年数などの住宅ローンでの評価項目を理解しておく
物件を購入する時に多くの方は住宅ローンを利用することになると思いますが、その評価項目を把握しておかなければ審査に落ちてしまう可能性があります。
住宅ローンの審査では、以下の9つの項目がとくに重視されていますのでしっかりと抑えておきましょう。
- 完済時年齢
- 健康状態
- 担保評価
- 借入時年齢
- 年収
- 勤続年数
- 連帯保証
- 返済負担率
- 金融機関の営業エリア
これらの項目は9割以上の金融機関が考慮していると回答しています。
項目のなかでも年齢などが重要視されているのは、ローンを安定して返済ができるのかどうかが重視されているからです。
住宅ローンを利用する場合は、年齢の項目をクリアするために早めに頭金などの準備をしておいた方が良いでしょう。
他の借入を返済しておくと安心できる
住宅ローンの審査の際には信用情報の照会が行われます。
そのため、他社で借り入れている状況も審査会社には必ず伝わるということを覚えておきましょう。
他の借入をしている場合は、住宅ローンの審査をする前に返済しておくことをおすすめします。
また、他に借入がある状態で既に審査に通過している場合は、返済負担率に注意が必要です。
住宅ローンの返済負担率を低く設定していても、他のローンと合わせると返済負担率が高くなってしまったというケースは少なくありません。
他の借入の完済が難しい場合は、それらのローンも合算して住宅ローンに組み込める金融機関を探し、少しでも返済負担を軽くするのをおすすめします。
単身向けのマンション選ぶなら抑えておきたいポイント
持ち家を購入した後に、思わぬことが発覚して後悔をしてしまうという人が中にはいらっしゃいます。
家を購入した後は気軽に引っ越しもできないため、事前調査や条件設定は慎重に行いましょう。
特にこれから紹介するポイントはどれも重要項目ですので、物件選びの参考にしてください。
部屋の広さは50㎡以上が理想
一人暮らしだから部屋はそこまで広くなくても大丈夫だと思われるかもしれませんが、部屋の広さには注意が必要です。
部屋の広さが30㎡未満の物件は他の物件と比べて安価に購入することができますが、住宅ローンの面積制限に該当してしまい、ローンを組めない可能性があります。
フラット35の住宅ローンは30㎡以上からローンを組めますが、一般的な金融機関の面積制限は50㎡以上です。
そのため、部屋の広さは最低でも30㎡以上は必要で、売却を視野にいれているなら50㎡以上は必要になります。
1LDKは金額優先や退去後に運用する方向け
1LDKのマンションは通常30〜50㎡前後の広さがあり、単身者に人気の高い間取りになります。
また、このタイプのマンションは都市部や駅の近くに立地していることが多く、生活の利便性が高いのも人気の理由です。
1LDKのマンションは、以下のような方に適しています。
- 独身で、しばらく一人暮らしを続ける予定の方
- 仕事や趣味に時間を割きたい方
- 都心部の利便性を重視する方
- 予算を抑えつつ、マンション購入を考えている方
- 将来的な資産運用を見据えている方
ただし、1LDKは広さに限りがあるため、長期的に住むには物足りなさを感じる可能性もあります。
居住人数が増えると間取りや広さが狭くなってしまうため、将来のことも踏まえて物件を選ぶようにしましょう。
2LDKはライフスタイルの変化にも対応できる
2LDKのマンションは1LDKよりもゆとりのある生活空間を確保できます。
一人暮らしには広すぎる場合もありますが、将来的なライフスタイルの変化に対応しやすいのが大きな魅力です。
2LDKのマンションは、以下のような方におすすめになります。
- 将来的な結婚や同棲を視野に入れている方
- 在宅ワークや趣味のスペースを確保したい方
- ゲストを迎えることが多い方
- 長期的な居住を考えている方
- ライフスタイルの変化に合わせて、部屋の使い方を変えたい方
2LDKのマンションは若い夫婦やシニア夫婦からの需要が見込めるため、買手が見つからないといったことにはなりにくいです。
特にシニアカップル世帯は近年増加傾向なので、2LDKのマンションは売却をすることになっても困ることはない間取りだと言えます。
3LDKは資金に余裕があって長く住み続ける方におすすめ
3LDKのマンションの広さは一人暮らしでは活かしきることはできませんが、将来的な家族構成の変化や資産運用の観点だと魅力的な選択肢です。
3LDKのマンションは、以下のような方に適しています。
- 子育てを見据えたファミリー向けの住まいを探している方
- 親との同居や、親の介護を視野に入れている方
- 友人や家族との交流を大切にしたい方
- 資産価値の高い物件を探している方
3LDKのマンションは趣味の部屋としての活用した快適な一人暮らしから、もし居住人数が増えた場合であっても柔軟に対応できる万能な間取りになります。
結婚を見据えている場合や将来的に親との同居などを考えている場合は、3LDKの物件も検討してみましょう。
災害リスクの少ないエリアのマンションを選ぼう
マンションを購入する際には、地震や洪水など災害リスクの低いエリアの物件がオススメです。
災害リスクが高いと補修費用や復旧にかかる費用が発生しやすく、利用価値だけでなく資産価値にも影響を及ぼす可能性があります。
自治体が出しているハザードマップを参考にして、災害リスクのあるエリアを避けて物件を選ぶと良いでしょう。
駅チカで住みやすい物件なら売却もしやすい
マンションを購入する際は、周辺環境も調査をしておくことをオススメします。
周辺環境のチェックリストは以下の通りです。
- 最寄りバス停
- 駅までのアクセス
- 通勤ルート
- スーパーマーケットやドラッグストア、コンビニ、郵便局などの施設
- 日当たりと風通し
- 騒音問題
- オートロックや防犯カメラ設置などの防犯面
- 駐車スペースの広さ
売却のことを視野に入れている場合は駅から近い物件がおすすめです。
特に都心部に関しては車での買い物や移動が少なく電車移動が主流なため、駅から近いかどうかによって売却価格がかなり異なってきます。
駅から10分以上離れている物件だと、駅から1〜5分の距離にある物件と比べて2割ほど価格が下がる地域もあるので物件選びは慎重に行いましょう。
住宅ローンの返済負担率は25%以下に抑える
ローンの適正な返済負担率は手取りの収入の20%〜25%だと言われています。
この返済負担率とは別名「返済比率」とも呼ばれており、返済負担率が小さい方が余裕を持って返済を行うことが可能です。
返済負担率を計算する時は、額面で計算をしてしまわないように注意をしてください。
また、この25%というのは大まかな目安であり、この数値内に収めていた場合であっても負担が大きいと感じる人はいます。
ライフプランやお金の価値観は人それぞれなので、返済負担率を考えるときは営業や他の人からの言うことは鵜呑みにせず、ご自身が余裕を持って返済できる計画を立てるようにしましょう。
新築と中古それぞれの特徴を抑えておこう
新築マンションと中古マンションには、それぞれメリットとデメリットがあるので自分にあった物件タイプを選ぶのをおすすめします。
主なメリットとデメリットは以下の通りです。
物件タイプ | メリット | デメリット |
---|---|---|
新築マンション | ・新しい空間で最新野設備で新生活を送れる ・地震や浸水の備えがある場合が多い ・税制面で中古よりも有利な場合がある |
・価格が高い ・実物を見ずに購入をするため、イメージと異なる場合がある ・中古ではかからない諸費用がかかる |
中古マンション | ・価格が安い ・実物を見て購入することができる ・希望のエリアで見つけやすい ・リフォームやリノベーションで希望の内装に変更できる |
・古い設備の交換や修理に費用がかかる ・断熱性や遮音性などが低い傾向にある |
新築マンションは最新の設備やセキュリティが充実しているのが大きな魅力です。
建物の状態が良いため、修繕リスクが低いのは新築マンションのメリットと言えるでしょう。
一方、中古マンションは、新築に比べて購入費用を抑えられるのが最大のメリットです。
予算が限られている場合でも比較的広い面積の物件を選ぶことができるので、リフォームやリノベーションを行って自分好みの空間にカスタマイズをすることもできます。
中古なら築12年未満のマンションがおすすめ
一人暮らしでマンションを購入をする場合は築12年未満のマンションを選ぶのをおすすめします。
築12年以上のマンションは住宅ローンを組む場合に、フルローンを組むことができない可能性があるからです。
国税庁では鉄筋コンクリート造のマンションの法定耐用年数を47年としています。
住宅ローンは法定耐用年数までしか組めないことが多いため、この47から35を引いた12年が中古マンションを購入する目安となる訳です。
年代別一人暮らしのマンション購入する時の注意点
年代によって物件購入をする際の注意点は異なります。
若い世代は将来の変化に対応できる物件選びが重要で、年齢を重ねていけば資金面の安定性や返済計画の確実性が求められるでしょう。
ここでは、20代、30代、40代と50代の3つの年代に分けて、一人暮らしでマンションを購入する際に特に注意すべきポイントを詳しく解説します。
20代はライフスタイルの変化が激しい点に注意
20代でマンションを購入する最大のメリットは、定年前に住宅ローンを完済できることです。
所属する会社や退職するタイミングにもよりますが、余裕のある返済計画を立てることができるでしょう。
早めに住宅ローンの返済が終われば、その後の収入は老後の生活費として貯蓄できます。
ただし、将来的に家族が増える可能性も想定しておかなければなりません。
一人暮らしの生活のみを想定して家を買うと、結婚をしたり子どもが生まれた場合は家が狭く感じてしまいます。
また、職場が変わる場合なども考えられるため、20代でマンションを購入するとしたら、ライフスタイルが落ち着いてくる20代後半以降がタイミングとしては良いでしょう。
30代は返済負担率を低く抑えておくと安心できる
30代でマンションを購入するメリットは、20代と比較すると仕事や収入が安定しており、希望に近い家を購入できることです。
また、マンションを購入した世帯主の年齢で30代が最も多いことから、30代は物件を購入するのに良いタイミングということが分かります。
物件タイプ | 30歳未満の割合 | 30歳代 | 40歳代 | 50歳代 | 60歳代 | 無回答 |
---|---|---|---|---|---|---|
新築マンション | 7.3% | 35.4% | 24.3% | 12.2% | 18.1% | 2.7% |
中古マンション | 6.3% | 28.2% | 29.6% | 16.9% | 16.9% | 2.1% |
このデータから、およそ30〜40代の間でマンションを購入している人が多いことが分かります。
ただし、30代になれば車のローンなどの住宅ローン以外の借入がある場合も考えられるため、住宅ローンを借りる時には注意が必要です。
返済負担率が高くなりすぎないように、他の借入などがある場合は先に完済しておきましょう。
40代と50代はローンの早期完済が成功の鍵に
40代と50代でマンションを購入するメリットは、ライフスタイルが変化しにくい点と貯金を利用して頭金を準備できる点になります。
頭金が多ければ多いほど返済期間を短く設定できるので、総支払額を減らすことが可能です。
また、お子さんがいても独立している場合は、そこまで広い物件でなくても問題ないでしょう。
ただし、住宅ローンは80歳が上限としている金融機関が多いため、そこまで長期のローンを組めない可能性があります。
また、定年後は収入がなくなるため、毎月の返済が負担になるケースもあるので注意が必要です。
単身でマンション購入して後悔するケース
マンションを購入して後悔してしまったという人は一定数います。
ただし、その理由の多くは十分な準備と調査をしっかりしておけば避けることができたトラブルばかりです。
ここでは、一人暮らしでマンション購入をして後悔する事例を詳しく解説していきます。
後悔しないためにはどのような点に注意すべきなのかを分かりやすく説明していきますので、ぜひ参考にしてください。
騒音やトラブルがあっても気軽に引っ越しができない
マンションを購入する際、立地の良さは大きな魅力の一つです。
しかし、立地の良い場所は見方を変えると人通りが多く、騒音問題が生じやすいとも捉えることができます。
大通りに面したマンションに住んでいると、交通騒音や排気ガスの問題で窓を開けられないといったケースもあるため、立地が良いと住みやすいとは限りません。
賃貸であれば引っ越しという選択肢がありますが、家を購入すると気軽に引っ越しはできないです。
こういったケースを避けるために購入予定物件の周辺環境のチェックと、不動産会社などに騒音の発生状況などを確認しておきましょう。
ローン返済が滞るなどの金銭的な面での失敗
マンション購入では住宅ローンの返済が長期にわたって続きますが、この長い期間のどこかで支払いができない期間が生まれてしまう場合があります。
そうなった場合は、以下のような流れで金融機関から連絡が届くことになるので注意をしましょう。
滞納期間 | 案内 |
---|---|
1ヶ月 | 電話やメールで入金案内 |
2ヶ月〜3ヶ月 | 遅滞損害金が加えられた請求書 |
3ヶ月〜4ヶ月 | 催告書 |
5ヶ月〜6ヶ月 | 期限の利益損失(ローンの一括返済) |
6ヶ月〜7ヶ月 | 代位弁済通知 |
8ヶ月〜9ヶ月 | 金融機関が裁判所へ競売の申し立てを行う |
9ヶ月〜10ヶ月 | 裁判所から競売手続きを開始したと通知が来る |
ローンを遅滞したらこのような流れでマンションが競売にかけられます。
こうした事態を避けるためにも、もし返済の滞納が発生してしまいそうな場合は、滞納する前に金融機関に相談をするようにしましょう。
売却後にローンが残ってしまった
ライフスタイルの変化や転勤などにより、ローン完済前にマンションを売却しなければならない場合があります。
ローンが残っている状態で売却自体は可能ですが、家を売却するためには条件があるので注意が必要です。
その条件とは、金融機関が設定した抵当権を抹消することになります。
この抵当権を抹消するためには住宅ローンの残債を一括返済しなければなりません。
住宅ローンの残債よりも売却価格が高い場合だと問題ないですが、残債の方が高いオーバーローンの場合は残りのローンを自己資金で支払う義務が出てきます。
住宅ローン完済後の管理費や修繕積立金が負担になる
マンションは共用部分と専用部分で構成されていて、その共用部分は所有者全員で管理することになるため、管理費と修繕積立金という費用が発生します。
管理費とは、マンションの日常的な清掃などに使われる費用です。
修繕積立金は、大規模な補修工事のために積み立てられる資金になります。
これらの費用は、住宅ローンを完済した後も毎月発生し続ける費用になるので覚えておきましょう。
大まかな目安として管理費の全国平均は月額12,480円、修繕積立金は同11,474円でした。
つまり住宅ローンとは別に毎月2万円から3万円程度の費用が必要になることになります。
単身でマンション購入をする時によくある質問
一人暮らしでマンションを購入するとなると、初めてのことばかりで戸惑ってしまいます。
どのような手順で進めていけば良いのか、どんな点に気をつければ良いのかなど、多くの疑問があることでしょう。
ここでは単身でマンション購入をする際の疑問について、一つ一つ丁寧に解説していきます。
これから紹介することを参考に正しい知識を身につけ、マンション購入を成功させましょう。
頭金がなくてもマンションを購入できるのか
頭金がない場合でも、物件価格と同額の住宅ローンを借り入れてマンションを購入することは可能です。
頭金なしのメリットは手元にまとまった現金を残すことができるので、緊急事態への対処がしやすくなるという点が挙げられます。
また、頭金を準備する期間が不要になるため、気に入ったマンションがすぐに申し込めるというのもメリットの一つです。
一方で、頭金が0円だと住宅ローンの借入額が増加し、返済負担が重くなる可能性があります。
借入額が多いほど金融機関の融資審査は厳しくなるため、頭金が0円だと審査に通過しにくくなるので注意が必要です。
仲介手数料が無料のマンションの探し方
仲介手数料は物件成約時に不動産会社に支払う初期費用の一つで、基本的に家賃の1ヶ月分+消費税で計算されます。
仲介手数料が無料になる物件を探すには、以下のようなポイントに注目しましょう。
- 消費税がある物件
- リノベーションされたマンション
- 売主が不動産会社や管理会社
仲介手数料が無料になる物件の特徴はこの通りですが、こういった物件を自分で探すのは大変です。
弊社では仲介手数料最大無料のサービスを実施しており、お客様のニーズにあった物件を見つけるお手伝いをさせていただいています。
また、今回ご紹介した例にあてはまっていない物件であっても仲介手数料が無料になることもありますので、ぜひお気軽にご相談ください。
一人暮らしの人がマンションを購入するタイミング
一人暮らしでマンションを購入するベストなタイミングは人によって異なります。
ただ、多くの住宅ローンは借り主の年齢が75歳か80歳までに完済することを条件としているため、35年ローンを希望する場合は、40代までには購入を決断する必要があるでしょう。
とはいえ、貯蓄などである程度の資金に余裕があるなら、40歳を過ぎてからでも問題ありません。
マンション購入のタイミングについては、別の記事でより詳しく解説していますので、ぜひそちらもチェックしてみてください。
結婚をした場合はどうするのか
現在は一人暮らしでも将来的に結婚をする場合、2LDK以上のマンションの方が良いかもしれません。
2LDKの間取りなら、ベッドルームとリビングを分けられるのでプライバシーも守ることが可能です。
何より、生活空間にゆとりができるので日々の暮らしが快適になります。
また、2LDK以上の物件は人気が高いので、将来的に売却する可能性を考えても2LDKは有利だと言えるでしょう。
1LDKの物件に既に住んでいて結婚をすることになった場合は、そのまま住み続けるか売却や賃貸に出して別の場所に住むことになります。
ただ、1LDKであっても工夫によっては快適に過ごすことも可能ですので、無理に引っ越す必要はありません。
それでも家を買い替えたいという場合は、賃貸として貸し出すよりも売却をした方が手軽だと思います。
賃貸では様々な手続きや空室リスクなど考えることが多く、ほとんど事業のような立ち位置になるので、そういったことが面倒だと感じる人は売却をすると良いでしょう。
病気で住宅ローンが払えなくなった場合
もし病気やケガで働けなくなりローンが払えなくなってしまった場合、団体信用生命保険を利用することになります。
団信は住宅ローンの借り主が加入できる保険で、万が一の場合に残りのローン額を肩代わりしてくれます。
ただし、加入には以下の条件があるので確認をしておきましょう。
- これから住宅ローンを組む人である
- 年齢が15歳以上70歳未満である
- 加入時点で健康状態に問題がない
もし、条件に当てはまらない場合は団信に加入できないので注意をしましょう。
団信に加入ができなかった人は加入条件が緩和された「ワイド団信」というものもあるのでそちらで加入するのもおすすめです。
実家の相続が発生した場合の対処法
実家の相続が発生した場合、マンションを手放さなければならないかもしれません。
両親が住んでいた実家の相続が発生した場合、以下のような対処をすることになります。
- 実家を売却
- 賃貸として出す
- 実家に住んでマンションを売却
この3つの内どれを選ぶかはそれぞれの物件の資産価値や、自分のライフスタイルに合わせて決めていくことになります。
ただ、相続を放棄をする場合だと三ヶ月以内に申請が必要となるので注意をしましょう。
単身でのマンション購入が不安ならプロに相談しよう
今回は単身でマンションを購入する時のポイントを解説してきました。
物件選びのコツやマンションの相場、返済負担率など、単身でマンションを購入するのに欠かせない知識ばかりなのでぜひ物件選びの参考にしてください。
それでも、実際に購入となるとまだまだ不安や疑問があるかもしれません。
そのような場合は、不動産会社に相談するのが一番の解決策です。
経験豊富な不動産のプロが、お客様の状況やご希望に合わせて最適な物件選びや資金計画のアドバイスをいたします。
弊社では仲介手数料最大無料のサービスもご用意しておりますので、マンション購入を考えている方はお気軽にお問い合わせください。